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【長崎】自身も感染 長崎県医師会長が語るコロナ

2021年02月02日

 新型コロナに感染し、仕事に復帰した長崎県医師会のトップ森崎正幸会長(72)がNCCの単独インタビューに応じました。いつどこで感染し、どんな症状が出たのか?その上で森崎会長は「ウィズコロナ」でなく「ゼロコロナ」に向けた対策の必要性を訴えます。
 森崎会長は「まさか俺がっていう感じでしたね」と語ります。人一倍気をつけていた中での感染。森崎会長(72)は1月12日にPCR検査で陽性が判明。自宅療養や14日間の入院、隔離生活を経て陰性が確認され、先週、職場に復帰しました。森崎会長は「1月10日発症ですから感染しは1月1日から10日までの間かなということで自分なりに振り返ってみたが1日、2日、3日は病院の当直をしてその間には発熱外来の患者を何人か診た。ただしPCR検査は全員陰性だった。4日からは通常活動で医師会の活動、診療も始めた」と話します。
 発症2日前の1月8日には病院での診療のほか医師会館で業務。9日には長崎県の担当者や議員が出席する新型コロナに関する関係者会議に出席していましたが、接触者から陽性者は1人も出ませんでした。そして1月10日、症状は突然現れたといいます。
 森崎会長は「朝から寒気で目が覚めてそれでセーターを着込んで寝たが熱計ったら37.0度。のどの違和感があったくらいで、風邪気味かなと思った」と話します。11日に抗原検査で陽性反応、12日にPCR検査で陽性が判明。病院で胸部CT検査を受けると新型コロナによる肺炎像が確認され、入院を余儀なくされました。入院後、熱は37.3度前後と高くはありませんでしたが、日を追うごとに筋肉痛や倦怠感に悩まされる日々が続きます。
 森崎会長は「発症して7、8、9日目は味覚がなくなり、嗅覚もなくなり、食欲がゼロになったのがちょうどその頃。もう食事が受け付けない」と話します。体を動かせない状態も続きました。その後、2度目のCT検査の結果、肺炎の像がさらに大きくなっていたことから、点滴を始めます。翌日から少しずつ食事が取れるようになり、症状も徐々に回復に向かっていきました。そして肺炎の像も改善され25日に陰性を確認。26日に退院し、2月1日からは医師会の業務にも復帰しています。
 森崎会長は「集中力が出ないし全身倦怠感が強いし、不安感、病状が悪化してひょっとしたら命に関わるのかなという不安感は感染者はみんな持っていると思う。新型コロナは別物です魔物です」と話します。自宅でもマスクを着けるなど感染対策には人一倍気を使っていた森崎会長。しかし、どんなに気を付けていてもいつどこで感染してもおかしくない状況が作り出されやすい、強い感染力。そんな『魔物』のようなコロナウイルスに打ち克つには、まずはワクチン接種が重要と強調します。
 森崎会長は「どんなに感染防御していてもうつる時はうつる。これは本当に仕方ない。うつらない努力は皆さんされていると思うけどうつる。うつさない努力は惜しみなくやった方がいい。公表も連絡も。コロナに勝つにはワクチンと薬しかないなと思います。薬を早く開発してほしい。ワクチンは目の前にあります。積極的に受けてほしいと思います。副反応とかにきちっとした対処をすれば大丈夫ですから。それよりも感染することが怖い。ワクチンを打つと発病はある程度防げるというエビデンスが出ていますので、それに向かってやるべきだと思う。最後は自分の体力づくり、健康づくりが大事だと思った。日頃から食生活をしっかり注意して、野菜も十分に取って、肥満予防、糖尿病予防、運動。そして健康づくりをやっておくしかない」と話します。
 その上で行政に対する提言も。森崎会長は「第1波の時、ゼロコロナを目指した。そしたら長崎も5月、6月はゼロ。GoToキャンペーンが始まり『ウィズコロナ』という言葉が出始めた。今はウィズコロナの時代に入ってしまって、そんな中『第3波』、長崎はひどい目に。本当に医療が逼迫した。長崎は医療レベルは高いが医療のキャパシティーは少ない。多くの人数が入ったらベッドがあふれてしまうので、長崎県としては5月、6月を思い出して、時短要請や自粛をやるなら短期間徹底的にやってゼロにしてほしい。だらだらと『我慢してください』っていうのはこれはもう無理です。行政のトップもそうだと思いますけど『ウィズコロナ』でいくのか『ゼロコロナ』なのか、目標はしっかり掲げてやっていった方がいいと思う」と話しました。