長崎諫干開門第2、3陣控訴審 漁業者側の控訴棄却
諫早湾干拓事業をめぐり、湾内の漁業者が国に即時開門を求めた裁判で、福岡高裁は28日、開門を認めなかった1審判決を支持しました。この裁判は2010年から2011年にかけて諫早湾内の漁業者26人が「漁業被害を受けた」として国に潮受け堤防の即時開門を求め訴えを起こしたものです。諫早湾干拓事業を巡っては「開門」と「開門せず」の相反する確定判決がありましたが、最高裁は今月1日付で国が起こした裁判で開門を主張した漁業者側の上告を棄却。司法判断が「開門せず」で統一しました。福岡高裁の森冨義明裁判長は「潮受け堤防の閉め切りは諫早湾の漁場環境の悪化につながる高度の蓋然性があり、将来的に継続することが具体的に予想される」など漁業への影響を一部認めました。一方で「干拓事業は高い公共性、公益性を有し、湾内漁業補償について一定の損失填補が図られた」などとして漁業者側の控訴を棄却し「開門せず」とした一審の判決を支持しました。漁業者側は上告する方針です。