被爆80年の8月9日に行われる平和祈念式典について、鈴木長崎市長は過去最多となる国と地域の代表が参列する見込みであることを明らかにしました。
鈴木長崎市長:
「過去最多となる見込みでございます。(現時点で)107カ国・地域プラスEUということになります」
被爆80年の今年、長崎市は「原爆犠牲者の慰霊」と「世界恒久平和の祈念」2つの平和祈念式典の本旨に立ち戻り、日本に大使館などを置く全ての国と地域に招待状を送っています。その結果、ウクライナへの侵攻を開始した2022年以降、招待してこなかったロシアや、去年招待しなかったイスラエルなどの駐日大使が式典出席の意向を示しています。
鈴木長崎市長:
「我々、長崎の思いが通じたものがあるのではないかと。世界恒久平和に向けた思い。そして原爆犠牲者の慰霊について各国の皆様と心を合わせられるようしっかりと式典の準備を進めていきたいと思っております」
一方、参列の意向を示していた台湾は、「招待国」などではありませんが、市は受け入れる方針を決めています。
鈴木市長は「式典は、どなたでも参加できるもので問題ない」との見解を示しました。
また被爆者と認めるよう訴え続けている「被爆体験者」について。去年は初めて式典後に総理が被爆者4団体の代表と面会する場に出席し、直接救済を求めましたが、今年の方針は決まっていません。
鈴木長崎市長:
「先週、上京した際に厚労大臣宛に総理面会を要望する旨の要望書を担当課長に提出して要望してきたところでございます」
現時点で「国からの回答はない」とした上で、総理との面会が実現するよう「最後まで働きかけたい」と述べました。
また去年、日本被団協に平和賞を授与したノーベル委員会のフリドネス委員長らが23日に長崎市を訪れ、鈴木市長と面会するほか若者との意見交換や、長崎原爆資料館を視察する予定です。
鈴木長崎市長:
「核兵器のない世界の実現に向けて、どのような連携ができるのかということも含めて意見交換させていただければと思っております」
このほか、13日夜、長崎市愛宕2丁目の老朽化した空き家アパートの外階段が崩落し、踊り場にいた43歳の所有者の男性が亡くなった事故について男性に哀悼の意を示した上で、近隣住民から屋根部分に損傷があるとの通報を受け、市が改善を求める指導を行っていたと明かしました。
「老朽化した危険な空き家問題の深刻化を物語っている」と述べ、「空き家対策を一層強化していきたい」としています。