地元開催の世界選手権、男子マラソン日本代表・三菱重工マラソン部の近藤亮太選手。島原市出身の25歳。初マラソンで日本歴代5位、初マラソン日本最高記録の快挙。2度目のマラソンで世界の猛者に挑む若武者の知られざる素顔、そして強さの秘密に迫ります。
近藤選手は島原市の出身。島原について「すごく自然豊かで山と海が近くて。武家屋敷だったり、いろんな昔ながらの情緒ある街並みだったり、走るのではすごく良い街で」と話します。また、ジョギングに行く際には「島原は湧水が豊富に色んなところで湧いているので、給水ポイントになって水がいらない。どこまででも走れます」とも。
「人生が変わる、人生の起点になるようなレースでした」と振り返った今年2月の大阪マラソン。初めてのフルマラソンで終盤まで海外勢と先頭争い。初マラソン日本最高、日本歴代5位の2時間5分39秒で日本人トップの2位でゴールしました。
好走の理由について、ズバリ…「プリティーなお尻」が秘訣だと明かしました。それは、大阪マラソンに共に出場した定方俊樹選手のお尻。
近藤亮太選手:「マラソン練習の約3カ月間。定方選手が『おれについてこい』と言ってくださったので、背中にぴったりくっついて見てたら、プリティーなお尻が下の方にあるんですけど、そのお尻を見て走ったらすごく楽に走れた。実際にレース本番、定方さんをマークして『定方さんがいる』と思ったら、後ろにするすると行って。お尻を見てじーっと見ながら走っていたら、いつの間にか20km、25kmを越えて。『あれ、もう30kmになるぞ』と思って。このお尻を見てたことで集中力が増して。無駄な力を使わず、最後まで走り抜けて」
学生時代は、全国的にも無名のランナーでした。島原高校から箱根駅伝優勝11回を数える名門・順天堂大学へ。
諫早高校OB・順天堂大学長門俊介監督:「本当に真面目で、すごくコツコツ努力できる。走るのが大好きな選手だなっていうのが1番強い印象にあります。1番彼が力を発揮できるのは、リラックスした時。当然地元開催で大きな期待はあると思うんですけど、とにかく楽しい42.195kmだったなって言えるような走りをしてほしい」
三菱重工は全国の実業団でも唯一「マラソン部」と銘打つチーム。2017年のロンドン・井上大仁選手、2023年前回大会のブダペスト・山下一貴選手に続き、チームとして世界選手権は、3回目の挑戦。これまでの経験を糧に、夏のマラソンに挑みます。
三菱重工マラソン部黒木純総監督:「ブダペストの時に山下一貴選手が終盤けいれんを起こして、5位を走っていたのがけいれんで11位まで下がったんですけど、けいれんを起こした物事がなんなのか。科学委員会とタイアップして今、調べているところで。(近藤選手が)暑さに強い体質であるというところは、データとして出ていますので期待したい」
チーム「三菱重工マラソン部」で挑む世界選手権。目指すところは『ポジティブマインドで8位入賞』。
近藤亮太選手:「僕の1番の武器は前向きな気持ち、ポジティブなマインド。今回も暑い。『暑い中でみんながへばったらチャンスあるぞ』っていう思いでレースに臨んでいけるので、東京開催・地元開催になるのですごく多くの方が応援してくださると思いますし、応援を力に変えて、8位入賞目指して頑張っていきたい。暑さは強さで」