去年、ノーベル平和賞を受賞した日本被団協の代表委員で長崎で被爆した田中重光さん(84)が講演し、授賞式やその後のスペイン、フランスでの活動について報告しました。
講演会は、長崎のうたごえ協議会原水爆禁止長崎協議会が主催し、市民ら約80人が集まりました。田中さんは自身の被爆体験を伝え、授賞式について報告しました。授賞式の約1カ月後には、アメリカなどの「核の傘」に頼るNATO加盟国のスペインや核保有国のフランスを訪問していて、現地での学生や国会議員とのやりとりを紹介しました。
日本被団協代表委員・長崎被災協会・長田中重光さん(84):
「(スペインの国会議員は)全ての国が核兵器により何が起こるかを知らなければならないと指摘し、二度と核兵器が使われないように被爆者の話に耳を傾けようという呼びかけをしていきたいという話があった。みんながやるぞという気持ちも分かりましたし、学校や市でも広く運動が進められてきている感じを受けました」
田中さんは、核兵器廃絶にはこうした他国との連帯を広げることが大切だと伝えました。
田中重光さん(84):
「日本の政府が核兵器禁止条約に署名・批准をしないのは、まだ私たちの運動が小さいから。私たち被爆者も老体に鞭打って、皆さんと一緒に核兵器も戦争もない地球を残すためには、一人ひとりが自分事として考え行動していくことを特に若い人たちに広げていかなければならないと感じました」
参加者(21):
「そもそも8月9日が何の日か知らないなど県を越えたら多いので、今まで長崎で育ってきた、学んで来られた立場だと思って、色んなところでSNSで発信することが出来たらちょっとでも継承という部分に大げさかもしれないですけど、つながるのではないかと思う」
田中さんは「核兵器廃絶に向けた運動を大きくすることが被爆80年の今年の課題だ」と話しました。