サッカーJ2、V・ファーレン長崎はいよいよ今週土曜(2月24日)シーズン開幕戦を迎えます。7シーズンぶりのJ1復帰なるか。前監督の二重契約問題で、急遽指揮を任された下平隆宏新監督(52)に意気込みなどを聞きました。
【NCC岩本アナウンサー】
「ではまずは監督就任おめでとうございます」
【V・ファーレン長崎・下平隆宏監督(52)】
「ありがとうございます!」
青森県出身の下平隆宏新監督52歳。カリーレ前監督が、ブラジルのサントスFCと二重契約を結んだ問題を受けて、1月からヘッドコーチとして指揮を任されていましたが、先週木曜(2月15日)、V・ファーレン長崎は、カリーレ氏との契約終了とFIFA国際サッカー連盟への提訴とあわせ、下平氏の監督就任を発表しました。
【V・ファーレン長崎・下平隆宏監督(52)】
「今は今シーズンに懸ける思いと、プレッシャーという部分も感じているので、とにかくいい状況でリーグ戦迎えたいなと思っています」
昨シーズンまでの2年間は、J2の大分トリニータを率いた下平監督。当時、対戦相手だったV・ファーレンの印象は?
【V・ファーレン長崎・下平隆宏監督(52)】
「本当に魅力的なクラブだなというのは思ってましたし、選手のタレント性というか、素材としてはいい選手がいっぱいそろっている。人間性もいい選手たちがそろっているので、特にこのチームで戦う一体感という部分に関しても、すごく皆がいい方向に向いてやってくれていると思っています」
選手は、新加入の9人を含む32人。まずチームに伝えた「ポリシー」は?
【V・ファーレン長崎・下平隆宏監督(52)】
「『ボールを大事にしよう!』ということを伝えました」
「小学生に言うようなことかもしれないので、もしかしたら昔言われたなと思い出す選手もいるかもしれない」「意味はいくつかあって、一つはボールを大事にするということは、ボールをしっかり自分たちで持とうと、『サッカー自体のゲームを主体的に進めていく』」「単純なことですけど、しっかりパスを出す、しっかりボールを止めることをすごく大事にする」「今のが本当数センチ右足にきてれば、右足でコントールしてシュートを打てたのに、というそのちょっとしたタイミングを逃す原因にもつながるので、本当に細かいことだけど、そういうとこに普段からこだわることが大事かなと思っています」
そしてもう一つは…。
「『ボールに座らない』、道具を大事にする。ボールを大事にすることで、勝負の際でサッカーの神様が我々に微笑むんじゃないかということもあって、こういうことを伝えました」
今シーズンキャプテンを務めるミッドフィールダーの秋野央樹選手(29)は、「下平イズム」を良く知る一人。下平監督が、柏レイソルのUー18で監督を務めた時のキャプテンで、2012年の日本クラブユース選手権では、初優勝を共に経験しました。
【V・ファーレン長崎・下平隆宏監督(52)】
「チームの中で選手とスタッフで投票して、その中でキャプテン選ぼうというところで、選ばれたのが秋野だった。ちょっとね顔は、まだ頼りない顔の時もありますけど、一緒に日本一を取ったという思い出もありますし、サッカーに対して秋野は 真面目だし、取り組む姿勢も素晴らしいので、それがチームにいい波及をすればいいかなと思っています」
【V・ファーレン長崎・秋野央樹主将(29)】
「僕自身こうして再契約で、またキャプテンというまたとないチャンスだと思うので、今年に懸ける思いというのは人一倍強いと思いますし、何としても目標を達成出来るように、一人ひとりが日々の練習を大事にしてという積み重ねが、本当に大事だと思うので、そこを地道にやっていきたいなと思います」
今シーズンのJ2リーグは、昨シーズンより2チーム少ない20チームが、4試合少ない38試合を戦います。上位2チームが自動昇格し、3位から6位のプレーオフ1位が、J1に昇格します。
V・ファーレン長崎の課題はー
【V・ファーレン長崎・下平隆宏監督(52)】
「失点をどう減らしていくかというのがJ2優勝のキーになると思います」
昨シーズン、チームの総得点は70得点で、22チーム中4位と攻撃面で強さを見せた一方、総失点は56で下から8番目でした。
【NCC岩本アナウンサー】
「失点面で今シーズン目標としている数字教えていただけますか?」
【V・ファーレン長崎・下平隆宏監督(52)】
「ズバリ失点数35点以下ですね」
「1試合1失点していったら38試合なので38失点してしまうのでそれよりも少ない数字を目指しています」「去年の失点見ると、自分たちの攻撃している時にミスが起きて失点をしている」「ビルドアップのところのミスだったりが多くあったので、そこは改善しなきゃいけない」「それが『ボールを大事にる』ことにつながると思うんですけど、ミスなく相手に奪われることなく攻撃を組み立てるということも大事かなと思います」
1月29日から2月10日まで約2週間の沖縄キャンプでは、J1の北海道コンサドーレ札幌とトレーニングマッチを行い、2対1で競り勝ちました。
【V・ファーレン長崎下平隆宏監督(52)】
「特に守備の面でJ1のクラブとやるということで崩れない、簡単な緩い失点とかはしないようにということで、組織的な守備のところを取り組んできて、まずはある一定の手応えをつかめたことは大きいかなと思います」
攻撃の主軸は、昨シーズン、キャリアハイの26ゴールを挙げ、J2得点王に輝いたフアンマ・デルガド選手(32)。
新戦力としてJ1柏レイソルから育成型期限付き移籍した、188cmの大型選手、20歳の田中隼人選手は、アンダーカテゴリーの日本代表も経験し、攻撃の起点にもなれるディフェンダーです。
【V・ファーレン長崎・田中隼人選手(20)】
「左利きという特長もあるので、強味といったら攻撃の部分、ビルドアップの部分、キックの部分だと思う」「J2優勝J1昇格というのを必ず達成したいと思いますし、V・ファーレン長崎のチームの価値も上げたいですし、自分の価値も上げたいと思っているので、自分が中心となって結果を残せるように頑張りたいと思います」
選手時代は、ボランチとして柏レイソルやFC東京などでプレーした下平監督には、現役選手顔負けのある趣味がー。
【V・ファーレン長崎・下平隆宏監督(52)】
「うわっ!出しましたねこれ!」
「趣味は筋トレです。元サッカー選手だけど、ちょっともう分かんないよね。そうなりたくはないなと思って、体型崩さないために筋トレを始めたって感じですね」「去年やってた頃は、(ベンチプレス)マックス120kgくらい上がりましたね」「触りますか?」
【NCC岩本アナウンサー】
「いいですか?失礼します。硬いパンパンだ。エッ!」
【V・ファーレン長崎下平隆宏監督(52)】
「そうなんです。体脂肪率は、今は13%くらいです」
「サッカー選手は、アスリートは、11%以下であってほしいんですけど、今のチームの平均が実は僕よりも上なんで、『俺より下げろ!』くらいは言えるっていうか」「(チームの)アベレージが下がったら、僕も下げようかと思って、下に下げていこうかと思って」
【NCC岩本アナウンサー】
「イタチごっこじゃないですか!」
【V・ファーレン長崎下平隆宏監督(52)】
「そうやってコンディション高めていこうと思っています」
リーグ開幕戦は、2月24日(土)アウェーで藤枝MYFCと。ホーム開幕戦は、3月2日(土)の第2節、ベガルタ仙台と戦います。
下平新体制にファンやサポーターの期待も高まっています。
【サポーター】
「今年は特にチームの雰囲気とか一体感があって開幕戦が楽しみで仕方がない、J1目指して頑張ってほしいです」
「期待しています。一番は勝つ試合、いい試合をしてほしい」
「私が初めて見に行った試合が、J1昇格の試合だったので、あの一体感をまた味わいたいと思うのと、今シーズンの最後らへんにはスタジアムシティもできて、長崎を全員で盛り上げようという感じがして楽しみです」
10月に開業する新本拠地、長崎スタジアムシティの「ピーススタジアム(略称ピースタ)」での初戦は、10月6日(日)相手は監督の古巣の大分トリニータです。
下平隆宏新監督(52)、J1昇格への決意はー。
【V・ファーレン長崎・下平隆宏監督(52)】
「はい、これしないです。J2優勝」「本当に素晴らしいスタジアムが10月に完成して、ホームで残り3試合できる状態になります。その時にしっかりこの優勝争いをしてて、ホームの新スタジアムで優勝を決められたり、J1昇格を決められるようなゲームをできたら、本当に最高だなと思っている」「皆さんと共に喜び合えるように、最高のシーズンになるよう頑張りますので、皆さんもぜひV・ファーレン長崎を応援よろしくお願いします」