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そのニュース、長崎では?「コロナ禍の出産後ケア」

2021年03月10日

 新型コロナによる経済的、精神的な不安の中で出産した女性をケアするさまざまな取り組みが広がっています。そのニュース、長崎では?
 東京都は来年度から新生児1人につき10万円分の支援を始めます。対象は2021年以降に生まれた子どもを持つ家庭で、子ども1人につき都が設ける専用サイトで10万円分の育児用品や育児サービスを選べるということです。都によりますと、新型コロナによる経済的な不安などの影響で出産を控える動きが広がっている中でも出産を望む家庭を後押ししたいということです。
 長崎市議会は9日の2月定例会本会議で、市議会の会議規則に議員の産休期間を「出産予定日の6週間前の日から産後8週間」と明記する改正案を可決しました。また市議会を欠席する理由に「育児」「介護」「配偶者の出産補助」を追加しました。いずれも全国市議会議長会での規則改正に伴うもので、女性をはじめ多様な人材が市議会に参画できるように環境整備を進めるためだということです。
 また県内では現在21の市と町すべての自治体で、去年国が支給した10万円の「特別定額給付金」の対象とならなかった新生児を対象に10万円を給付しています。対象は去年4月28日から今年度末までに生まれた子どもです。
 長崎市では、初めての出産を迎える妊婦の不安を取り除こうと、ある取り組みが行われています。長崎市の子育て支援団体「トムテのおもちゃ箱」は初めて出産を迎える妊婦を対象に産後すぐに役立つ子育て情報を伝える「プレママカフェ」を市と協働開催しています。
 子育て経験豊富なスタッフが自身の出産後の経験も踏まえて「プレママ」にアドバイスしてくれます。また概ね3歳未満の子どもと親が自由に遊んだり、育児相談したりできる長崎市の「子育て支援センター」の見学もできます。「子育て支援センター」は現在市内に12カ所ありますが、市は来年度以降、新たに5カ所開設することにしています。
 現在は1日100円で利用できますが、来年度中に無料で利用できるよう制度を見直すということです。
 参加者には他にも良かったことが。参加者は「同じくらいの妊婦さんたちと話ができて。今、コロナで話とかできないので、それが一番良かった」と話します。新型コロナの流行前には、産婦人科に入院する妊婦同士で情報交換し合うこともあったそうですが、そういった機会も持てなくなりました。妊娠9カ月の女性は「立ち会いは1人とか、面会の時間も1日15分で同居の人1人だけとか言われていて、産まれたばかりの時期にいろんな人に会えないというのはすごく残念なんですけど致し方ないのかな」と話します。 
 「トムテのおもちゃ箱」のスタッフで、自身も3人の息子の母親でもある和泉由理香さんです。コロナ禍で、人と触れ合う機会が減っている今だからこそ、出産前の「プレママカフェ」で、出産後の不安を少しでも解消してほしいと言います。和泉さんは「コロナ禍の中でもたくさんの支援があるが、今、その支援が点みたいになっていて、出産した後もいろんなサポートがあって、それを受けてもらいたいけどそのサポートを知らないということももったいない。出産を安全に支えたい、赤ちゃんの『育ち』をきちっと守っていきたいという医療としての考えは尊重するべきだと思うので、私たちは私たちのサポートがあるし、産婦人科には産婦人科のサポートがあると思うので、そういうものの良さをそれぞれ生かしながらやっていくのが一番いいと思う」と話しました。