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【長崎】波佐見町で官製談合事件 職員と業者逮捕

2020年09月16日

3年前の過ちがまた繰り返されました。波佐見町教育委員会の係長が公共工事の入札情報を業者に漏らしたとして官製談合防止法違反などの疑いで逮捕されました。(波佐見町教育委員会中嶋健蔵教育長)「本当に申し訳ありませんでした」。逮捕されたのは波佐見町教育委員会の教育総務係長・池上昌平容疑者(39)と電気工事会社「ダイニチ」の代表・武村龍弥容疑者(52)です。池上容疑者は去年3月上旬、町立小中学校3校の空調機設置工事の指名競争入札で最低制限価格の計算に必要な設計金額を武村容疑者に教え、落札させた疑いが持たれています。町教委などによると池上容疑者は3年前、教育総務班に配属され、教育施設の整備や管理を任されていました。(波佐見町教委福田博治教育次長)「大変真面目でした仕事熱心でまさかこのようなことを起こすとは夢にも思っていませんでした。信じられません今でも」。ダイニチの武村容疑者は最低制限価格に近い金額で3件の工事を落札。最低制限価格と落札価格の差が最も少ない工事は約3万円でした。(入札に参加した別の業者)「そういうことをやること自体が論外の話ですよね。3つとも落札したというところあたりは業界として見た時におかしいと見えるかもしれない」。警察は16日朝から町教委や武村容疑者の事務所などを家宅捜索しました。波佐見町では2017年にも官製談合事件が発覚し、逮捕された建設課の職員と業者は翌年、有罪判決を受けました。(吉岡記者)「午後4時半です。押収物を入れた段ボールを捜査員が運び出しています」(波佐見町教育委員会福田博治教育次長)「前回の3年前の教訓が生かされてなかったのは事実だと思います。一線を越えないように一生懸命研修会をして業者との付き合いの仕方も常々言っていた。明らかになってくる動機とか背景を見てしっかり考えていかないといけない」。3年前の事件の翌年、波佐見町は再発防止策として職員と利害関係者との接待を禁止するなどの倫理規程を策定しました。最低制限価格を一定の範囲で無作為に変動させる「ランダム化」も導入していますが事件は繰り返されました。(入札に参加した別の業者)「ランダム係数を掛けるから探りにくいというのはあるが、やはり情報をどこで取るかとなると、官製談合みたいに漏れていないと近い数字はなかなか」。官製談合に詳しい桐蔭法科大学院の鈴木満客員教授は最低制限価格のランダム化では事件を防ぐことはできないと指摘します。(鈴木客員教授)「全く防止対策としては不十分です。予定価格(設計金額)を秘密情報にしている限り官製談合防止法違反はなくなりません。予定価格(設計金額)を事前公表するのが最善の防止策になる」。鈴木教授によると独自の入札制度を導入した上で事前公表を行っている東京都立川市では官製談合事件がなくなったということです。一方、国交省は事前公表すれば積算能力がない業者でも工事を落札できる可能性が高まり、業者間の談合を引き起こす恐れもあるとして勧めていません。これを受け波佐見町は事前公表を導入していません。毎年のように研修会などを実施し再発防止に努めてきたとしています。(一瀬政太波佐見町長)「研修会とかいろんな管理職を通じての指導もある面では怠ることなくやってきた思いだが結果としては、そこまで行き渡らないかったなと悔しい思いをしている」。県警によりますと2人は容疑を認めています。過去の入札などを通じて面識はあったということです。落札価格と最低制限価格との差は東小学校が23万円余。南小学校が約18万円。そして波佐見中学校はわずか3万1900円でした。ダイニチは3校合わせて1億5613万円余の工事を落札したことになります。これだけの工事を落札できた見返りはあったのか。県警は贈収賄の疑いも視野に捜査を進めています。