焼き物の町、波佐見町で、窯元の工場見学や波佐見焼の装飾体験など、普段は見ることができない、産地の裏側を体験できる初めてのイベントがあすから始まります。
美しい自然に囲まれレンガ造りの煙突が残るレトロな街並みの波佐見町。毎年ゴールデンウィークに開催する「波佐見陶器まつり」は、約26万人が訪れます。
約400年続く焼き物の町として知られる一方、「人口減少」や「担い手不足」などで、「暮らし」や「ものづくり」を次の世代にどうつなぐかが課題となっています。
波佐見焼の製造・流通は、各工程を専門の業者が担う「分業制」によって支えられています。中でも、粘土を器の形に成形する「生地屋」の減少が深刻だといいます。
東彼商工会が2016年に行ったアンケート調査によると、「長崎県陶磁器生地工業協同組合」の組合員数は当時89社でしたが、今年10月現在、39社と半分以下に減っています。こうした中、波佐見町の魅力を改めて知ってもらおうと、31日から始まるのが、「オープンハサミ2026」です。
町や東彼商工会、波佐見町観光協会など、行政・観光・産業に関わる6団体が作った新たな組織、「オープンハサミプロジェクト」が初めて開催します。
オープンハサミ実行員会・村島慎一郎実行委員長:「春の陶器まつりと違ったイベントで、今回の一番の目的は工場見学だったり、そういう体験を皆さんにしていただくというイベントです」
ものづくりの現場や地域の人々との交流を通じて、町の魅力を発信し、交流人口や関係人口の拡大につなげようと企画されました。
町内約40軒の窯元やショップ、カフェなどで、工場見学や装飾体験といった期間限定の企画が楽しめます。
波佐見町小樽郷の窯元「高山」では、2023年に新設した工場を無料で見学できます。一度に3000個から3500個の茶碗を焼き上げる大きな窯や、「高山」が得意とする「パッド印刷」などの絵付けの技術、製造工程を間近で見学できます。
波佐見町湯無田郷の「HIROPPA(ひろっぱ)」で体験できるのは、波佐見焼の装飾です。まずは、皿やマグカップに貼り付けるシールのような「転写紙」を選びます。続いて、選んだ転写紙を水で濡らし、皿やマグカップに貼り付けていきます。
自分で選んだお気に入りのデザインを器に貼り付けていくと世界に一つだけのオンリーワンのお皿を作ることができます。
出来上がった皿やマグカップは、専用の窯で焼き付けされ、後日、自宅へ送られてきます。
波佐見町田ノ頭郷にあるパッケージの総合メーカー「岩崎紙器」が運営する「そとがわとなかみ」では、オリジナルの貼り箱制作を体験できます。混雑状況にもよりますが、約15分から20分で1箱作ることができるそうです。
オープンハサミプロジェクト・中尾善之会長:「(波佐見町は)焼き物に限らない魅力がたくさん増えてきたと思っているので、そういった部分をもう一回、町として、町のイベントとしていろんな方に知っていただくきっかけになって、ゆくゆくは波佐見町のファンが増えたり、人口が増えたりすることで焼き物に従事する方も増えてという未来、そういうふうになっていったらいいなと僕は思ってます」
「オープンハサミ2026」は、31日から11月3日までの4日間です。