長崎くんちは中日(なかび)。6つの踊町は、町に福をおすそ分けする「庭先回り」に繰り出しています。一方、演技中に出演者が負傷する事故も起きました。
踊町が演し物を呈上する会場「花場所」のひとつ、中央公園。朝から満員の約2200人が詰めかけました。午前8時、中日(なかび)の一番町は「七福神寳船」の鍛冶屋町です。
神々しさと愛らしさを兼ね備えた七福神が、弁財天を巡る恋の駆け引き「賑諏訪社宝入船」をコミカルに演じ、会場中に福を届けました。寳船のハイライトは7回半の「七福神回し」。豪華なお宝を積んだ重さ約5トンの船を、21人の根曳衆が丁寧に美しく回します。
ところが、演技の最終盤、モッテコイの声がかかる中、アクシデントが。根曳の40代の男性が、船の車輪に右足を挟まれ救急搬送。右足を骨折し、命に別状はないということです。
鍛冶屋町 長采・平井嘉一さん:
「けがで離脱するということは、志半ばという感じになっちゃうので、けがした人間の気持ちもしっかり僕らが背負って最後までやり遂げることがけがした人間のためにもなるし、それが一番いいということで気持ちを切り替えてやろうということで話をしました」
根曳衆に控えはおらず、1人欠けた状態で庭先回りに出発しました。
龍の鳴き声を表す長喇叭(ラッパ)が響き渡ったのは龍踊の筑後町です。代名詞は、白髪と黒髪の青龍2体と白龍の3体が同時に舞う「巴踊り」。龍衆の息、珠使いの動き、龍囃子のリズム、すべてがシンクロして、かすりあうことなく舞い踊ります。雨乞いの儀式とも言われる龍踊が、雲一つない秋空のもと躍動しました。
三番町は上町の上町コッコデショ。36人の担ぎ手と8人の棒先が、重さ1トンの山車を宙に投げ上げ、片手で受け止める妙技に観客から歓声が上がります。前日(まえび)の奉納を無事に終え、肩の力が抜けた上町。3回連続投げ上げる「三社返し」で会場を沸かせました。
四番町は川船の油屋町。見所のひとつ、網打ちは…。網が大きく開いて大漁!右回しと左回しを交互に5回転する新技「楓」。疾走感溢れる川船が砂ぼこりを巻き上げながら躍動しました。
五番町・今籠町は本踊、長唄「今籠町波璃大鷲」。大人踊子は美しく、子ども踊子はかわいらしく、ウグイスやホタルなど歌詞に合わせた踊りで季節の風情を表現しました。
トリは元船町の唐船祭。色鮮やかないでたちで現れた一団は異国情緒たっぷりです。明清楽の調べに乗せて、町娘、クーニャンたちがかわいらしく、美しく舞う姿に会場もほっこり。
一転、唐人船は気迫にあふれ、重量級の船を縦横無尽に曳き回します。踊り場の後方から船を回しながらせりあがる「ドラゴン」は、微動だにせず待つ采振長の目の前でピタリと止めます。だんだん回転がゆっくりになり、暴風が吹きすさんだ疾走感を表す新技「風神」も披露されました。