2017年、当時、海星高校2年の男子生徒がいじめが原因で自殺したとして、生徒の両親が、学校の運営法人に損害賠償と謝罪を求た裁判で、長崎地裁は8日、運営法人に330万円の損害賠償の支払いを命じる判決を言い渡しました。
この裁判は、2017年4月20日に自殺した当時16歳の生徒の両親が、高校の運営法人・海星学園に対し、3200万円余りの損害賠償と、学校のホームページへの謝罪文の掲載を求めていたものです。
学校が設置した第三者委員会は2018年、「自殺はいじめが主な要因」とする報告書を提出しましたが、学校は不服として、受け入れを拒否しています。
判決では、生徒が中高一貫の海星中学3年の頃、おなかが鳴る音を同級生にからかわれたり、休み時間に閉じこもっていた掃除道具入れの小部屋の扉を無理やり開けようとされるいじめを受けていたと認めました。
また、教員らが生徒の心情把握に努めれば、いじめの一部を防止することが出来たとして、安全配慮義務に違反したとしています。
一方で、生徒の自殺が高校進学後だったことなどから、自殺の理由がいじめのみであったとは認められないなどとして、学校の安全配慮義務違反と自殺との間の相当因果関係は認めませんでした。
また、学校側が遺族に対し「『突然死』にしないか」「遺族が望めば、転校ということにできる」と提案したことについて、遺族を気遣っての言動という側面もあり、事態の隠ぺいを図る目的での発言とは認められないとしました。
その上で、生徒の精神的苦痛に対する慰謝料として、海星学園に330万円(弁護士費用含む)の支払いを命じ、学校のホームページへの謝罪文の掲載については棄却しました。
判決を受け、生徒の両親は―。
生徒の父親:
「うれしい半面、納得がいかなった部分があるのも正直事実」
生徒の母親:
「複雑な気持ちではありますので、今後のことは家族、弁護士とよく話し合いをして考えていきたい」
海星学園は、書面で「これまでの主張が一定認められたものと受け止めるとともに、本学園に責任があるとされた部分については、判決内容を精査し、今後の対応を検討させていただきます」とのコメントを発表しました。