長崎大学病院は6日、移植に代わる肝硬変の新たな治療法の実現に向け、肝臓再生医療の臨床研究を開始したと発表しました。
長崎大学病院・尾崎誠病院長:
「長崎大学病院では2026年4月より、CLiP細胞を用いた肝臓再生医療の臨床研究を開始いたしました。本研究は従来の治療法では回復が難しい進行性肝疾患、特に肝硬変などを対象とし、肝機能の機能そものもの再生を目指す新たな治療方法でございます」
臨床研究に用いる「CLiP細胞」は、患者自身の肝細胞に薬剤を加えて作り、再び肝臓の細胞として働き、傷んだ肝臓の機能回復を促すとされています。
東京医科大学落谷孝広特任教授:
「CLiP細胞の第一のポイントは硬い肝臓を柔らかくしてくれてスペースを作る。もともと持っている肝臓の再生能力を引き出してくれる」
また「CLiP細胞」は体の外で増やすことができ、遺伝子を書き換えないため、がん化のリスクが低いとされているのも特長です。これまで肝疾患の治療は、進行を抑えたり、症状を和らげたりするものが中心で、根本的な治療には限界がありました。
長崎大学病院肝胆膵・移植外科江口晋診療科長:
「これは日本で行われている肝臓移植の数です。大体年間400~500件くらい。肝臓移植の適応のある患者さんは日本で大体2000人くらいおられます。つまり、1500人は機会を得ることがなく、対症療法になっている。多くの患者さんが移植の機会を得ることができずに命を落としているのが現況です」
今回の臨床研究は、こうした課題の解決に向けた取り組みで、肝移植に代わる新たな治療法として期待されています。
臨床研究では20歳以上80歳以下の中等症の肝硬変患者3人に投与し、約2年かけて安全性を確認します。「CLiP細胞」を人に投与するのは、世界で初めてだということです。
長崎大学病院は、安全性を最優先に検証を進め、5年から10年での実用化を目指すとしています。