県内でもこの24年で最多となっています。若年層を中心に、全国的に感染が広がっている性感染症「梅毒」について理解を深めるセミナーが長崎大学で開かれました。
長崎大学病院感染制御教育センターなど長大の3機関が無料で開いたセミナーには学生や教職員55人が参加しました。
長崎大学病院感染制御教育センター・泉川公一センター長:「皆さんが感染しても全然おかしくはない。それよりも、そういったものと受け止めて診断して治療してこれ以上感染が広がっていかないということを考えていかないといけない、そういう病気になってきている」
梅毒は、感染者との性的接触で粘膜や皮膚から感染する性感染症で、妊婦が感染していると胎盤を通じて胎児にも感染します。感染部位から全身の皮膚などにできものや赤い発疹、炎症などの異常が現れ、治療しなかった場合、数年から数十年後に心臓や神経、脳も侵される病気です。
県内の梅毒の患者数は去年は58人でしたが、今年は11月末時点で倍以上の129人の報告があり、調査が始まった1999年以降最多となっています。
年代別にみると20代が全体の約半数を占め、男女別では男性は20代から50代、女性は20代が多く、若年層で感染が拡大しています。
また、妊娠中に感染すると流産や死産、子どもが障害を持って生まれる恐れがありますが、県内では今年妊婦6人の感染が報告されています。
この現状を受けて開かれた緊急セミナーでは、感染症の専門医2人が梅毒はどんな病気なのか、感染経路や予防方法など、梅毒の基礎知識や現状を伝えました。
薬学部大学院生(28):「梅毒と聞くとエイズとかと同じくらい大変な病気だと思っていたが割と身近にあるんだなと思った」
薬学部5年生(25):「風俗産業の方とかが多いのかなって思っていたので同年代が多いというのを聞いて自分も気を付けないとという意識になった」
長崎大学病院感染症医療人育成センター・井手昇太郎講師:「梅毒は非常に昔の病気、昭和の病気という感覚の方が多いと思うが、現実として日本全国で、長崎でも増えてきている。心当たりのある症状があったりした時に、早めに病院に行っていただいたりしっかり治療していただいたり、そういうところが大事なのかなと」
梅毒は早期に治療すれば治る病気で、感染が疑われる場合は早期に医療機関を受診するよう呼びかけています。