大村入国管理センターに収容されていたネパール人男性が、けがをしたにも関わらず、適切な治療を受けられず、寝たきり状態になったとして、国家賠償を求めている問題で、九州弁護士会連合会は16日、センターや国に、人権救済を求める「勧告書」を提出しました。
2019年4月、当時36歳だったネパール人男性は、大村入国管理センターの施設内でサッカーをしていたところ、ほかの収容者のひざが左の股関節に当たってけがをし、センター内の医師から鎮痛薬などが処方されました。
しかし、痛み止めが効かず、外部医療機関の受診を複数回、希望しましたが、受け入れられませんでした。
けがから4カ月後の8月、ようやく外部の病院でMRI検査を受ける機会が与えられ、「両側大腿骨頭壊死症」と診断され、股関節付近の骨が壊死していることが判明しました。
しかし、その後も本人の希望に反して手術を受けることができず、内服療法などの保存治療が中心で、改善の兆しがなく、次第に立ったり、座ったりすることができなくなり、現在は、寝たきりの状態で、国内の病院に入院中です。
九州弁護士会連合会近藤日出夫理事長:
「申立人のインフォームドコンセント(説明を受けた上での同意)を確保する権利、ならびに医療上の自己決定権を侵害するものとして、人権侵害があったとして、勧告するものでございます」
九弁連は、11日付で、人権救済を申し立てる「勧告書」を大村入国管理センターと、その監督者である法務省、出入国在留管理庁宛てに提出しました。
センター側は、「係争中なのでコメントは差し控える」としています。