アメリカとロシアの間で、唯一残っていた核軍縮の枠組み、「新戦略兵器削減条約(新START)」が今月5日、期限切れで失効したことについて、長崎大学核兵器廃絶研究センター・RECNAが懸念を示しました。
新STARTは、第一次戦略兵器削減条約(STARTⅠ/1994-2011)の後継として2011年に発効。米ロ両国が配備する戦略核弾頭を1550発以下に削減することなどを定めていました。
条約の失効により、両国による相互査察の義務もなくなり、核軍拡競争の再燃や、第三国による核保有の動きを助長する恐れも指摘されています。
吉田センター長らは、長年積み重ねてきた信頼醸成の枠組みが途切れたことに、懸念を示しました。
長崎大学核兵器廃絶研究センターRECNA 吉田文彦センター長:
「『対話』のチャンネルが細くなったことは間違いないので、急速に軍縮化が進まないにしても、次の軍備管理への準備さえもが難しくなったなあという印象を持っています」
長崎大学核兵器廃絶研究センターRECNA クラースニー・ヤロスラフ教授:
「国際法の枠組み、国際条約についての考え方、国家それぞれかなりギャップがあると思ってますので、これからは国際法の再スタートが非常に重要だと思いますので、基本に戻るということも非常に大事だと思います」
また、4月27日から5月22日まで、ニューヨーク国連本部で開催されるNPT核拡散防止条約の再検討会議について、今回、3回連続で最終文書が採択できず決裂した場合、誠実な核軍縮交渉の義務を定めたNPT体制の形骸化や、核軍縮のさらなる停滞が必至となることを踏まえ、吉田センター長は、「NPTの存在自体に意義がある。NPTを基盤とするコンセンサスを得ることが重要で、今が踏ん張りどころ」と強調しました。