
トランプ大統領が指示した核兵器の実験についてアメリカのエネルギー省の長官は、核爆発を伴わないという認識を示しました。
トランプ大統領は10月30日、中国・習近平国家主席との会談の直前に、SNSで「核兵器の実験を始めるよう指示した」と表明しました。
これについて、エネルギー省のライト長官は2日、FOXニュースの番組で、「現在、議論しているのはシステムのテストであり、核爆発ではない」と明らかにしました。トランプ大統領が指示した実験は、核爆発を伴わない臨界前核実験であるとの認識を示しています。
また、司会者から核実験場がある西部ネバダ州の住民がきのこ雲を見るのかどうか問われたライト長官は、「ない。心配することはない」と断言しました。
アメリカは核爆発を伴う地下核実験は、1992年以降していませんが臨界前核実験は定期的に実施していて、直近ではバイデン前政権が2024年5月に実施しています。
これについて長崎の被爆者 山川剛さん(89)は、「爆発を伴おうと伴うまいと、目的は同じ。核兵器を持つ限り、実験は続く。根本的に核政策を放棄しない限り、安心して平和を築くことは出来ない。核を持つ国のトップも世論を気にするもの。核政策に反対し、核兵器を放棄することの必要性を市民に訴え続けることが大切だと思う」と話しています。