佐世保市の宇久島で進められているメガソーラー事業をめぐり、住民側が、工事の差し止めを求める仮処分命令の申立書を長崎地裁佐世保支部に提出しました。
申し立てを行ったのは、NPO法人「宇久島の生活を守る会」の地元住民4人です。
宇久島で計画されているメガソーラー事業は、京セラや旧九電工のクラフティアなどが出資する「宇久島みらいエネルギー」が進めているもので、島の約10分の1に当たる約280ヘクタールに、太陽光パネル約150万枚を設置する国内最大規模の計画です。
申立書では、事業に伴う大規模な造成工事によって、雨水が地面に浸透しにくくなり、河川や水路の氾濫など、水害の危険性が高まるおそれがあると主張しています。
宇久島の生活を守る会佐々木浄榮会長:
「本訴をやってしまうと、裁判が終わるまでは工事がずっと進んでいくことになりますので、そうなってしまうと元には戻らないので今の段階でいったん(工事を)止めていただいて懸念を払拭してからやっていただきたいと思っています」
守る会は、水害のリスクに加え、島の自然環境や生活への影響についても懸念を示していて、工事の差し止めを求める提訴も準備しているとしています。
一方、事業を進める「宇久島みらいエネルギー」は取材に対し、「裁判所から正式な書面を受領次第、内容を精査し、適切かつ、真摯に対応していく」としています。
また、守る会の佐々木浄榮会長は、来年2月の佐世保市・北松浦郡区の県議会議員補欠選挙への出馬を表明しました。