長崎の伝統野菜について学ぶ長崎市の小学生が、フレンチの巨匠から「味覚の授業」を受け、オリジナルフレンチを作りました。
唐人菜や雲仙こぶ高菜を混ぜ込んだマッシュポテト。長崎和牛と県産豚の合い挽きに、刻んだ辻田白菜や長崎高菜を練り込んだハンバーグ。フレンチコースを考案したのは、長崎大学教育学部附属小の6年生。伝統野菜について学ぶ32人のチームです。
国内外で活躍するフレンチの巨匠・三國清三シェフ(71)が開いた味覚の授業「KIDS-シェフ」。味覚が発達する時期の子どもたちに食の楽しさを教えようと、冷凍食品の製造販売会社「ヤヨイサンフーズ」などが2000年から全国で開いていて、今回で56回目。長崎では初開催です。
三國清三シェフ:
「12歳でいま味覚をキャッチするピーク。きょうの授業は多分大げさに言うと君たちの人生を変えると思う」
三國シェフが取り出したのは高級食材のトリュフ・キャビア・フォアグラ!世界三大珍味の登場に、子どもたちは大はしゃぎです。生のトリュフを一口かじり、その後、フォアグラと一緒にソテーしたものと食べ比べます。食材を見て、香りを嗅ぎ、炒める音を聞き、そして味わう。五感を使って味わうことで、食の奥深さを実感しました。
児童:
「一言で表しきれないほどおいしいです。高級食材って言われてたから結構おいしいのかなと思ったらちょっと子どもには難しい味だった」
長崎の伝統野菜について学んでいる児童たちは、伝統野菜を使ったフレンチコース作りに挑戦。6月ごろから1カ月かけてレシピを考案し、シェフらにアドバイスをもらいながら、5品のメニューを考えました。
調理が始まると、家庭科室は一気にあわただしい雰囲気に。普段、自分の店やホテルで活躍する一流シェフの指導のもと、テンポよく進んでいきます。魚料理「県産マグロと真鯛のポワレ」を作る班は、シェフからミカンとレモンの果汁に鯛の出汁をブレンドしたソースの難易度の高さを指摘されました。
児童:
「私たちもこのソースは難しいと思うんですけど、できたらきっとおいしくなると思うので頑張りたいです。やる気で!やる気でなんとかいけるぞと。相手がおいしいって言って食べてくれてる顔とかを想像しながらつくればいいと思います」
調理開始から約45分。5品のコースが完成しました。
児童:
「なんかもう仕事が多すぎてすんごい大変でした。(仕上がりは何点?)自称100です」
三國清三シェフ:
「将来大きくなったら長崎にいる人、地方や世界に出ていく人もいる。その時に自分の地元に誇りを持てるような、そういう子たちに育ってほしい。一応世界のミクニなんで」
子どもたちは「世界のミクニ」から100点満点をもらい、「味覚の授業」修了証書を受け取りました。