16年前、大村市で内縁の妻を殺害したとして殺人の罪に問われた75歳の男に長崎地裁が今月、裁判員裁判で「無罪」を言い渡した判決について、長崎地検は18日に控訴したと発表しました。
馬場恒典被告(75)は2009年4月から6月ごろ、大村市で同居していた内縁の妻で、当時48歳か49歳の松永千賀子さんの頭などを鈍器のようなもので複数回殴り、脳挫傷で死亡させた殺人の罪に問われていました。
長崎地裁は9月4日、「被告人が被害者の殺害に何らかの形態で関与した疑いはかなり濃厚」としながらも、「被害者の殺害日時を特定できず、凶器も未発見で、それが何であるか確定できていない」「被告人が被害者を殺害した実行犯であると認定するには合理的な疑いが残る」などとして「無罪」を言い渡しました。
長崎地検は18日、この無罪判決について、福岡高裁に控訴の申し立てをしたと発表しました。「原判決の認定は検察として看過できず、控訴して是正を求める」としています。