弟を包丁で刺し、殺害した罪に問われた39歳の兄の裁判員裁判が長崎地裁で始まりました。
小柳亮雄記者:
「被告を乗せたとみられる車両が長崎地裁へと入っていきます」
起訴状などによりますと、島原市の無職・宮本友樹被告(39)は、2023年10月、島原市有明町の自宅で、当時31歳の弟・雄司さんの胸や腹などを刃渡り約21センチの包丁で少なくとも11回刺し、失血死させた殺人の罪に問われています。
初公判で宮本被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。
冒頭陳述で、検察側は「被害者の雄司さんは2013年の11月ごろから自宅で引きこもり、ゲームなどをして生活を送るようになった」「2020年ごろにはゲーム中に腹を立てると壁を叩いたり、ゲーム機を何台も壊すようになった」「被告は雄司さんの粗暴な行動に怒りを募らせていった」と指摘しました。
一方、弁護側は「被告は統合失調症や知的障害があり、犯行当時は心神喪失か心神耗弱の状態だった」と主張しました。
証人尋問には、弟が出廷し、事件数日前の深夜、雄司さんが被告に「『ゲームをするなら出ていけ』と言い、被告を1回蹴った」「被告は蹴られた後、『包丁で脅そうかな』とつぶやいていた」と証言しました。
裁判では、責任能力の有無が争われます。判決は30日(火)に言い渡されます。