長崎のお盆と言えば「花火」。15日の精霊流しを前に、長崎市の花火専門店は書き入れ時を迎えています。
長崎市新地町にある花火専門店「錦昌号」では、長崎のお盆の伝統行事精霊流しや、お墓参りを前に花火を買い求めるお客さんでにぎわっていました。
記者:
「誰と花火すると?」
子ども:
「ばあば と じいじ」
祖父・祖母:
「楽しみですね長崎特有の、花火屋さんに来て花火を買って」
店内の棚には、爆竹や打ち上げ花火など約450種類が並んでいます。今年は、爆竹のほか、桃やチョコレートといったにおい付きの手持ち花火などが人気だそうです。
気になるお会計は…
「はい、ちょうど20万円」
段ボール数箱分の花火を購入するお客さんもいました。
錦昌号 張仁春代表:
「なかなか昔ほどお墓で花火をするという風習もだんだん少なくなってきたようですけど、やはりここ長崎に関しては、この風習が一番お盆の醍醐味と言いますか、それが続いていければと思っております」
一方、長崎市若草町では特別な思いを込めた精霊船が作られていました。去年11月、70歳で亡くなった岩本誠治さんの精霊船です。
誠治さんはカトリック信徒。これまで精霊船を流したことはありません。今回、中学時代からの親友で、歌謡グループ「ロス・プリモス」の元メンバー徳永淳さん(71)が「最後は長崎らしい別れをしたい」と精霊船作りを始めました。
木材は、徳永さんが東京から持って来て、船の後部には立派な教会をあしらいました。
徳永淳さん:
「(岩本さんは)男らしくて、心が優しくて温かい、みんなに本当に好かれる男で、スポーツマンだったからですね。今ここにいると思うんですよね。それは分かりませんが、ここにいて、みんなで作っているところを見てそれで楽しんでもらってそして天国にこの船に乗って帰って行ってもらえればうれしいと思います」
岩本誠治さんの妻・智寿子さん(70):
「とにかくうれしくて、いい友達だと思います。こんなして下さる人だれもいませんから感謝しかないです」
岩本誠治さんの長女・真依さん(45):
「長崎には2回お別れするチャンスがある。1回目は葬儀、2回目がこの精霊流し、だから本当に最後のお別れになってしますけど、悔いがないようにみんなで楽しく送り出したいと思っています」
誠治さんの精霊船は、家族ら約20人で流すということです。