15日夜は各地で長崎のお盆の伝統行事「精霊流し」が行われました。家族らが故人への想いをはせながら船を流しました。
初盆を迎えた故人の霊を西方浄土へと送り出すお盆の伝統行事「精霊流し」。長崎市のまとめでは、去年より194隻多い1685隻の精霊船が流されました。
長与町から来た人:
「日本の伝統というか、長崎の伝統でね、長崎で生まれ育ってよかった」
今年2月に73歳で亡くなった長崎市の橋本孝仁さん。
孝仁さんの妻:
「今日は(夫が)一番大好きな列車に乗って送り出すので、すごく幸せな気分です」
家族は孝仁さんの妻が手掛けたお揃いのTシャツを着て、孝仁さんが幼い頃から大好きだったという新幹線をモチーフにした船で送り出します。
孝仁さんの妻:
「新幹線が来たときは1日目に乗りにいきました。穏やかですごく優しい人でした」
孝仁さんの息子:
「みんなで盛大に送りたい気持ちもある反面、幽霊になって出てきてほしい。帰ってきてね、じいじ!」
孝仁さんの娘:
「きっと喜んでくれているかなと思います」
孝仁さんの娘が持つボードには「じいじ今までありがとう いつまでも大好きだよ」と孫たちのメッセージが添えられていました。
沿道には県外から来た人たちも多く集まっていました。
京都から来た人:
「あまり経験したことないのでびっくりと、こういう伝統もあるんだとしみじみ感じている。耳栓していました。火の粉が飛んできました」
今年1月、74歳で亡くなった馬場由美子さん。卓球が大好きで、選手でもあり、卓球チームの先生でもありました。
由美子さんの息子:
「ひとつのことをやり続けないと気が済まない人でした。(製作期間は)だいたい1カ月。毎日平日仕事が終わってから夜10時くらいまで頑張って作りました」
由美子さんが大好きだった卓球をイメージできるイラストを船のいたるところに散りばめました。船首部分の「みよし」は卓球のラケットになっています。
由美子さんの息子:
「(母の)願い通りの賑やかなメンバーを連れて大きな卓球の船を作れた」
鉦や爆竹の音が鳴り響く中、故人への思いが詰まった精霊船がにぎやかに、寂しさもまといながら長崎の夜を流れていきました。