盆の入りを前に長崎の花火店は1年で最も忙しい日を迎えています。
長崎市内の花火専門店はお墓参りや今週木曜日の精霊流しに向け、お客さんがひっきりなしに訪れています。棚には爆竹や打ち上げ花火、手持ち花火などがずらりと並んでいます。その数約550種類!
張仁春社長:「8月に入ってから売れ行きが好調です」
長崎市新地町の「錦昌号」では、先週末から買い物客が一気に増えたそうです。大人も子どもも目をキラキラさせています。カゴの中は花火で一杯。今年のトレンドは長い時間遊べる国産の手持ち花火や動きが楽しめる花火、メタリックな色合いの花火だそうです。
張仁春社長:「手持ち花火や噴水花火がたくさん売れるようになってきました」
お客さん:「(長崎ではお正月はお年玉お盆は花火代って子どもに渡していましたが)それで買いなさいって言っています。(予算はいくらぐらい?)1万円!噴水花火で遊びます」
こちらではお客さんが支払いを済ませた後、サプライズがあります。
店員:「サービスで入れときますね」
客:「ありがとうございます」
初盆を迎えた親子:「小さな精霊船を出すのでそれ用に爆竹も多めに買いました。にぎやかに長崎のお盆らしく送れればなと」
精霊船を出す家庭などは1回で10万円から20万円以上、買う人も少なくないということです。人件費の高騰や円安に加え、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で火薬類の需要が高まっていて、今年、「錦昌号」では去年に比べ1割程度花火を値上げしました。
張仁春社長:「水とかを用意して安全に花火をしてもらいたい。花火によっては色とか音とか光とかが随分違うそれを楽しんでもらいたい」
市内では15日(木)に行われる長崎のお盆の伝統行事精霊流しの準備も進んでいます。
麹屋町長崎くんち奉賛会・高浜康弘会長(77):「ここに各家庭の家紋が入った提灯を並べます」
今年の長崎くんちで『川船』を奉納する麹屋町では初盆を迎えた4人の霊をもやい船に乗せて西方浄土へ送ります。
麹屋町長崎くんち奉賛会・高浜康弘会長(77):「おくんちとは違って毎年の御霊を送るという気持ちで静かにお見送りしたい」
精霊流しの当日、「みよし」と呼ばれる町の名前をつけたり家紋入りの提灯を飾り付けたりします。『川船』に出場する根曳や町内の青年会のメンバーなど約40人で船を流します。