被爆者の声や現状を後世に伝えます。長崎原爆被災者協議会が被爆80年の節目に合わせて制作した記念誌が完成し、長崎市に贈りました。
長崎被災協の田中重光会長(84)ら9人が市役所を訪れ、鈴木市長に被爆80年記念誌「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ウォー、ノーモア・ヒバクシャ」を贈りました。記念誌のタイトルは反戦・反核運動をけん引した被爆者の故・山口仙二さんが国連で訴えた言葉を使用しています。
長崎被災協・田中重光会長:
「80年というのは私たちが組織的に本を作るとか、これが本当に80年がもしかしたら最後になるのではないかとも思っています」
鈴木長崎市長(被爆2世):
「80年の重みを感じさせるような立派な本だと思います。次の世代がいかに皆さんの思いを引き継いでいくかと本当に大切になってくると思います」
記念誌は故人を含め、11歳から101歳までの延べ96人が寄稿しています。「被爆体験」を掲載しているほか、諫早市での「被爆者救護」、「沖縄戦」、「核廃絶運動」、「ノーベル平和賞受賞演説」など写真やイラストを交えて分かりやすく紹介しています。また、QRコードを読み込むことで、被爆者のメッセージ動画なども見ることもでき、被爆者の高齢化が進む中、記憶の継承の重要性が改めて強調されています。
長崎被災協・田中重光会長:
「80年、節目の年というのがいかに大事な年か、今年から来年にかけていかに継承をしていくか継承する人たちを増やしていくか一番重要な年になってくるのではないかと思います」
被爆80年記念誌は800冊を発行し、市内の学校や図書館などに寄贈します。