22日のビッグNスタジアム。夏の甲子園を目指す長崎大会の舞台に、活気あふれる球児たちの明るい声が響いていました。部員96人の海星と、64人の長崎商業。
この日背番号を付けたのは、ベンチ入りメンバー20人に入れない3年生たちがほとんどです。メモリアルゲーム、いわば「引退試合」が始まろうとしていました。
この日ばかりは、夏を戦う選手たちがサポート役に回って試合を支えます。球審は、広島県から海星に野球留学しけがで審判業に転向した3年生北木悠汰さんです。
先に主導権を握ったのは長崎商業でした。2アウト1・2塁、6番DH(指名打者)で出場、五島出身の野口が一打で先制します。
その長崎商業の先発は背番号1を付ける森蒼翔。去年秋の県大会では、エースナンバーを背負っていました。長崎商業3年森蒼翔選手:「親や支えて下さった人への感謝の気持ちを持って一球一球、全力で投げました」1回裏を森が三者凡退に抑えます。
対する海星の先発は三上玲音。弟の楓真さんは1年生ながら、会長杯でもメンバー入りしていて夏の大会でも活躍が期待されています。
海星1年三上楓真選手:「今までやってきたことを一生懸命全力で出してほしい」
玲音選手の母・三上千尋さん:「お兄ちゃんの姿はやっぱり弟にとって刺激になっていて。弟のお手本にもなっていると思います」
兄・玲音選手は、失点しながらも家族の前で力を出し切りました。夏の主力選手たちもスタンドからエールを送りました。
人知れず努力してきた選手も、けがに苦しみ、裏方に回り、チームを支えてきた選手も夏の舞台に立てなかった選手たちの全力プレーが輝いていました。
長崎商業3年野口宙選手:「最初は夏に向けて背番号しっかり取って試合で活躍したいって思いで入学したんですけど、実際こうやって引退試合をここで迎えて最高の仲間で一緒に終えることが出来たので悔いはない」
長崎商業3年森蒼翔選手:「10年間やってきた野球をきょう全力でやり切れたので良かった」
海星3年木村大虎選手:「結果が出なかったし、けがとか多くて、自分でも悩む時期が多かったんですけど、最後こうやって全員で野球を楽しんで終えることができたのでとても良かった」
夏の長崎大会は、7月7日開幕です。