県は、県内の30代の妊婦が「オウム病」で死亡した疑いがあると発表しました。県内でのオウム病患者の発生は8年ぶり、死亡例は初めてです。
オウム病は、オウム病クラミジアによる人獣共通の感染症で、オウムやインコ、ハトなどの糞に含まれた菌を吸い込んだり、口移しでエサを与えたりした際に、口から菌が侵入することで感染します。
人が感染すると、突然の発熱や、せきや痰の症状とともに、全身の倦怠感、食欲不振、筋肉痛、関節痛、頭痛など、インフルエンザと似た症状が表れます。特に妊婦は、重症化する傾向があり、死亡する場合もあります。
県内では、2017年に80代の女性1人の感染が確認されて以来、8年ぶりに感染が報告されました。
死亡例は初めてで、30代の妊婦は、死亡後、体内から病原体の遺伝子が検出され、オウム病の感染が確認されました。オウムやインコなどを飼ってはいなかったということです。
県地域保健推進課は、「鳥類との過度な接触を避け、飼育時はケージ内の羽や糞をこまめに掃除し、鳥を飼っている人が治りにくい『せき』や、『息苦しさ』などの症状を感じたら医療機関を受診し、鳥を飼っていることを医師に伝えてほしい」としています。