長崎大学病院に新たな手術支援ロボットが導入されました。患者の選択肢を増やし、手術をより少ない人員で行えるなど働き方改革にも貢献します。
新たに導入されたのは手術支援ロボット「Hugo」です。従来の操作用アームが一体となったタイプと違い、アームが独立しているのが特長です。設置する場所を自由に設定できるため、症例や患者の体格に応じて幅広い運用が可能です。執刀する医師が遠隔操作する画面も、これまでの覗き込むタイプからオープン型へと変わり、手術室全体を見渡しながら、スタッフと円滑に情報を共有し、手術が行えます。
このロボット手術は、従来の腹腔鏡手術と比べて繊細な動きが可能で、年々需要が高まっています。長崎大学病院では既に2台の手術支援ロボットが稼働していて、年間約550件、全体の56%ほどの手術で活用しています。
今回3台目となる「Hugo」の導入により、ロボット手術の割合は今後7~8割にまで増やせる見通しです。
長崎大学病院低侵襲手術センター・野中隆センター長:
「患者さんの選択肢、この新規ロボット手術が増えたということで選択が増えたことは大きい、これしかないではなく、これもある。より今までの可能性を広げることに意味がある」
「Hugo」は少人数での手術が可能になることで、働き方改革にも寄与します。また執刀医とほかの医師が同じデバイスを装着すれば、視界が共有でき、教育ツールとしても活用できます。
4月中旬から泌尿器科・腎移植外科、大腸・肛門外科での運用を始め、がんの切除手術など7件の手術を行い、いずれも無事成功しました。今後は胃・食道外科、産婦人科への導入も予定しています。