副作用の少ない画期的ながんの治療薬の開発を進めるベンチャー企業が、「長崎大学発ベンチャー」に認定されました。
「長崎大学発ベンチャー」は、大学内の研究成果などを活用して起業したベンチャー企業を支援する称号で、2022年度に始まりました。
第7号は、「長崎大学先端創薬イノベーションセンター」の田中義正センター長を中心に立ち上げた「株式会社SCMバイオメディカ」です。この企業が取り組むのは、がん治療における「SCM(Stem Cell Memory)療法」と呼ばれる治療薬の開発です。従来より治療効果が高いことに加え、副作用がより少なく済むとしています。
株式会社SCMバイオメディカ・田中義正代表取締役(59):
「免疫エフェクター細胞(がん細胞を死滅させる細胞)を助けるものと、数を増やすものその2つを組み合わせるのが今回開発したSCM療法。がんそのものよりもむしろ治療法に恐怖があると思う。もし副作用がないような治療ができるんだったら、がんがそれほど怖くない病気になるのではないかと」
現在は動物実験の段階で、2030年を目標に市場に出回らせたいとしています。