長崎伝統芸能振興会が今年の長崎くんちの踊町と演し物を発表しました。
コロナ禍を経て10年ぶりの奉納に臨みます。今年の踊町は西古川町、新大工町、諏訪町榎津町、賑町、新橋町の6カ町です。本来、踊町の金屋町は高齢化に伴う人手不足を理由に奉納踊を辞退します。
長崎伝統芸能振興会・山下寛一踊町委員長:
「正直に言うと、あすは我が身という感じ。これから先、収入の部は増えない、支出は多いということで、継続するのは非常に難しいかなって。難しくなっている時代になったなというのも実感している」
現在の古川町・万屋町・諏訪町にまたがる旧町・西古川町は351年の歴史を持つ相撲にちなんだ演し物、「櫓太鼓」と「本踊」を奉納します。
新大工町は、勢いよく山車を曳き回す「曳壇尻」と「詩舞」。
新大工町・青木賢三会長:
「今回の奉納で124年目の奉納。現在、壇尻と言われるものを奉納しているのは新大工町だけ」
諏訪町の「龍踊」は、「青龍」や「白龍」のほか、「子龍」や「孫龍」も登場します。
現在の万屋町と鍛冶屋町の一部に含まれる旧町・榎津町は、スピード感あふれる豪快な船回しが持ち味の「川船(かわふね)」です。
10年前、そこには当時54歳、添根曳として出演した、Jチャン長崎「還暦記者どこへ?」担当。松尾高志記者の姿もありました。現在63歳。還暦を過ぎても、広く定着した「還暦記者」というニックネームで、毎週火曜、古里長崎愛あふれる特集を作り続けています。今年のくんちには、町の役員として参加します。
榎津町(旧町)・城谷冨好会長:
「今までの先輩たちが培ってきた伝統を継承し、新しい未来へつながるような勇壮で優麗な川船を奉納したい」
賑町は、町内の恵比寿神社にちなんだ「大漁万祝恵美寿船」。
現在の諏訪町に含まれる旧町・新橋町は、長崎検番が舞う「本踊」と「阿蘭陀万歳」を奉納します。
新橋町(旧町)・本馬健三会長:
「次の世代につなぐというのをテーマとしてやっていこうと思っている」
今年の長崎くんちは3日間とも平日です。10月7日火曜日に始まり、9日木曜日に閉幕します。
踊町は、6月1日の小屋入りのあと順次稽古に入ります。
稽古は、町の子どもたちが夏休みに入る7月下旬以降、本格化し、10月3日の庭見世、4日の人数揃いといった行事を経て本番に臨みます。