4年ぶり通常開催の長崎くんちは最終日「後日」です。今年の6つの踊町は、雨で8日から順延した2カ所の踊場を含む4カ所の踊場で最後の奉納踊に臨みました。
今年の踊町と演し物は、桶屋町「本踊」、船大工町「川船」、栄町「阿蘭陀万歳」、本石灰町「御朱印船」、丸山町「本踊」、万屋町「鯨の潮吹き」です。
各踊町は6月1日の小屋入りのあと、夏の厳しい暑さの中で稽古を重ね、前回の奉納から実に10年ぶりとなる奉納踊の舞台に臨みました。
渾身の演技を終えると、観客からはアンコールを意味する「モッテコーイ」や「ショモーヤレ」の掛け声が飛び、喝采に包まれました。
9日、各踊町は、朝から「お旅所」、「諏訪神社」、順延した「中央公園」と「八坂神社」で奉納踊を披露しました。
長崎検番の芸妓衆が58年ぶりに長崎検番発祥の踊り「浮かれ唐人」の全編を奉納した丸山町。
踊子・すず華さん:
「お客さんの温かい雰囲気にほっとしたというか、とてもいい雰囲気の会場で楽しく踊ることができた」
重さ5トンの絢爛豪華な船を豪快に引き回した「本石灰町」。最後の奉納を終えた瞬間、子どもから大人まで涙があふれ出しました。
荒木宗太郎役・松尾琉希さん:
「いいくんちでした」
アニオー役・熊谷朱梨さん:
「3年間待ったので最高のくんちでした。6月1日の小屋入りから、本当に本石灰町の仲間と一緒に奉納ができてうれしかった」
根曳・志田航汰さん:
「後残りがない船回しができたのでよかった。みんなで泣いて笑って終われるので最高」
今回初めて女性同士と男性同士2組の万歳と才蔵が登場する「ダブルキャスト」の「阿蘭陀万歳」を披露した栄町。
万歳役・山口晏奈さん:
「稽古は大変だったが、見てる方が盛り上げてくれて楽しく踊ることができた」
万歳役・田川太一さん:
「小屋入りからずっと『楽しく』をモットーにやってきたのでそれができたかなと。楽しいおくんちでした」
船大工町の川船は8歳の船頭が、石畳を泳ぐ7匹の鯉を見事一網打尽。根曳衆が躍動感ある船回しを見せ、「モッテコーイ」の嵐を呼びました。
抱き合う根曳:
「あーよかったよかった。何年も我慢したもんね、本当辛抱した、ありがとう」
根曳・光安健一郎さん(船頭・悠真くんの父):
「感無量。(息子・悠真くんの網打ちは)網ももうほぼパーフェクトだし、ここまで成長してくれるとは思っていなかった。ちょっとできすぎていてびっくりしている」
最年少14歳の踊子、中学3年生の近藤礼音さんら6人が多彩な踊りを繰り広げた「桶屋町」。
踊子・近藤礼音さん:
「楽しかったなというのと、ちょっと寂しい気持ち。くんちの稽古を頑張ってきてよかった」
万屋町は「ヨッシリヨイサ!」の掛け声とともに、鯨が天高く潮を噴き上げ、汗と潮でびしょ濡れの根曳衆が勇壮な捕鯨のドラマを演じ庭先回りへと繰り出しました。