NCCと長崎県の協働企画「未来へのエール」。今回は、発達障害の子を持つ親が集まる発達支援親の会「のこのこ」の活動に注目します。
長崎市本石灰町に事務局を構えるのは、長崎発達支援親の会、「のこのこ」です。「のこのこ」とは、人気ゲームのかめの名前で、「かめのようにゆっくり、のんびり、しっかりと子育てができるように」という思いが込められています。
「のこのこ」奥野由美会長:
「のこのこに入るって、発達障害を持った(子の)親の会なので、障害を受容しないといけない、そこが一番ハードルが高いと思う」
「のこのこ」によりますと、「発達障害」は、得意なことと不得意なことの差が大きく、そのことを周囲に理解されにくい障害です。例えば、言葉の発達の遅れなどが特徴の自閉症スペクトラム症(ASD)や、「読み・書き・計算」が極端に苦手な限局性学習症(SLD)、じっとしていられない注意欠如・多動症(ADHD)などが、発達障害の事例です。発達障害のある子どもは、全体の約10%と言われています。
「のこのこ」前田久仁子相談役:
「(のこのこに)正式に入会したのは(子が)中学1年生の時の不登校がきっかけで入った。親同士のアドバイスのやりとりや、励まし、ワイワイとした会が、私の心のケアになって、子が不登校で一番きつかった、親子できつかった頃だったので、それがすごく役立ちました」
「のこのこ」には現在、県内の発達障害の子の親、約50人が所属していて、集まって語り合ったり、障害について勉強したりする会が頻繁に開かれています。9日、長崎市内で勉強会が開かれました。会場に集まった50人のほか、オンライン配信にも10人が参加しました。
長崎大学元副学長で、発達障害のある子どもの支援や保護者支援の研究に携わってきた臨床心理士の吉田ゆり教授が発達障害児の子育てについて解説しました。
九州大学基幹教育院・吉田ゆり教授:
「自分を無条件に受け入れてくれるという場所があることがまず大事。彼らが自分なりに考えながら自分らしく生きていけるような環境を用意するためにどうするかわかっておくためには、必要以上に親のせいになったり、必要以上に自分のせいになるのではなく、理論的に防衛をしていただければ」
参加者・吉田伸吾さん:
「学んだことを自分が知識として理解するだけじゃなくて、実際の行動を起こしたり、そういう仕組みや場所をつくっていかないと変わらないので、そういうアクションを起こしていけたらいいなと思っています」
参加者・葉山志保さん:
「私は障がい児の母ですが勉強する中で、どの人間にも障がいがあるなしに関わらず、そのままの自分を受け止めてくれる場所が必要なんだなと思った」
葉山さんは約1年前に「のこのこ」に入会しました。
葉山志保さん:
「同じ仲間というか先輩ママたちがいらっしゃるので、どんなことがあってもちょこちょこ話を聞いて下さるが最後は『大丈夫よ。そういう時あるから』みたいな感じで話してくださるので、すごく安心して話を聞いてもらえています」
「のこのこ」奥野由美会長:
「発達の特性を持っている子どもの親なので、自分のせいじゃなかったんだって子育てに自信を持って前向きに子どもと向き合ってこれからも生活してほしい。親の会で勉強会もするが基本は親同士のおしゃべりの会で自分たちの日頃のたまっているものを吐き出す場、ニコニコ笑顔にする場なので、できれば子どもの特性とか関係なくおしゃべりしたいなって人には(のこのこに)来て頂きたい」
長崎発達支援親の会「のこのこ」は、随時会員を募集しています。興味のある方は、「のこのこ」のホームページから、ご連絡ください。