平和の尊さを伝えます。
核兵器廃絶を訴える「ピースボート」の旅を記録した写真展が3日から長崎市で始まりました。写真展は長崎で被爆した小川忠義さん(80)と被爆3世の孫長門百音さん(21)が開きました。
2人は今年4月13日から7月26日までの105日間、核兵器廃絶を訴える国際NGOピースボートの「ヒバクシャ地球一周証言の航海」に参加しました。12カ所の寄港地で被爆証言活動などに取り組みました。
会場の長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアムには、2人が撮影した約100枚の写真が並んでいます。こちらはスペイン・カナリア諸島の州都、ラスパルマスでの被爆証言活動の様子です。
祖父・小川忠義さん(80):
「ボーイスカウトの子どもたち、小学生から高校生まで80人に証言活動をしました。長崎を最後の被爆地にということを伝えて、皆に分かってほしいなというのがありました。被爆者が日本から来てくれたということで、話の聞き方というか、今、特にウクライナとロシアの戦争があっていてその辺の危機感を持った聞き方だったと思う」
1歳で被爆した小川忠義さん(80)は、15年前から、長崎に原爆が投下された8月9日午前11時2分に撮影した写真を全世界から集め、写真展「忘れないプロジェクト」を続けています。
孫の百音さん(21)は2年前からこのプロジェクトを手伝っています。今回、がんを患う祖父の支えになればと思い、「ピースボート」の旅に同行しました。
孫・長門百音さん(21):
「私は写真の係、記録係です」
百音さんは、現地の人たちと交流する中で刺激を受けたと言います。
孫・長門百音さん(21):
「イギリスの会場では(被爆証言の後に)全員立ち上がってスタンディングオベーションしてもらいびっくりしました。私は平和イコール戦争がないという固定観念を持っていましたが、自分たちのすごく身近にある小さな幸せっていうのが平和につながるんじゃないかなとすごく感じました。行って良かったです」
祖父・小川忠義さん(80):
「21年後の被爆100年までに“忘れないプロジェクト”をずっと続けてほしいというのがあるもんだから、もう私は無理ですから、だから百音にその継承をしっかりやってもらいたい。こういうことで海外に行って、海外の反応を聞いてみて、自信を持って継承をしてほしいというのがありました」
写真展「ヒバクシャ地球一周証言の航海~モネとじぃじの105日~」は25日(水)まで。入場は無料です。