【長崎】元南島原市議に執行猶予付き有罪判決
南島原市の太陽光発電事業をめぐり、元市議が賄賂要求などの罪に問われた裁判で、長崎地裁は執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。判決によりますと元南島原市議の下田利春被告(71)は、2017年5月、南島原市で太陽光発電事業を計画した東京の業者に対し、自分の土地に土砂の流出を防ぐ調整池を作ることが必要などと申し向け、「中途半端な金額では、私もしません」などと暗に多額の現金を求めたほか、応じなければ市議の権限を行使し事業を妨害する姿勢を示しました。懲役2年を求刑した検察側と一貫して無罪を主張する弁護側。裁判の争点は、業者に対する下田被告の発言が賄賂要求や恐喝に当たるかどうかでした。潮海二郎裁判長は「前後の発言内容や会話全体を見れば交渉を成立させるため、もしくは、大きな要求をあからさまに言えば恐喝や収賄になることを踏まえて、取り繕うための自己弁護的な発言」で「議員である立場を利用し金銭を要求した悪質なもの」と指摘。一方「前科前歴がなく、議員を辞職し、一定の社会的制裁を受けている」などとして懲役2年、執行猶予4年を言い渡しました。閉廷後、下田被告は腕を組み裁判長に「こんなのでたらめだ」と叫び、法廷を後にしました。下田利春被告(71)は「私は議員になったのも災害に市民が受けないように、うちがそういう目に遭っているからそういうことがないような活動をしようと。そんな自分の信条を蹴散らすようなことはしませんよ。だから最後まで絶対戦います。絶対やっていません」と話しました。下田被告は事実誤認だとしてすぐさま控訴し、控訴審でも無罪を主張する方針です。