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【長崎】クルーズ船 県の乗下船自粛要請後の行動歴

2020年04月29日

乗員148人が新型コロナに感染した三菱重工業長崎造船所香焼工場に停泊中のコスタ・アトランチカ。県が乗下船の自粛を求めた先3月13日以降、運行会社が禁止したのは街での飲食や観光だけだったことが明らかとなりました。29日の会見で三菱造船の椎葉邦男常務は「コスタ・アトランチカ号の船内で多くの方が陽性と判明したことにつきましては大変残念であり、近隣地域の皆様を始め多くの皆様に多大なるご心配をお掛けしていることをお詫び申し上げると共に感染された皆様の一日も早い回復を願っています」と陳謝しました。長崎県は新型コロナの感染拡大を受けて3月13日に三菱側に乗下船の自粛を要請しました。しかし福岡出入国在留管理局などによるとその後、交代などのために4月1日までに国外から約40人が船に乗り、4月14日までに約90人が船を降りたことが分かっています。その際タクシーやバスが使われていたことやホテルに宿泊したことなどから市民に不安が広がっていました。なぜそんなことが起きたのか?椎葉常務は「県の要請と長崎での感染者発生を受けて三菱とコスタが協議しコスタ社が禁止としたのは街での飲食、観光でありました。これは任意の外出を禁止することで感染リスクの低減を図るというものでございました。今回乗下船に対する私の説明が不十分であり、皆様に誤解を招いてしまったことを改めて深くお詫び申し上げます。どうも申し訳ございませんでした」と語りました。NCC佐藤綾子記者の「もともと乗下船はないとおっしゃっていた時にはそのこと(例外規程)は理解されていなかったということでしょうか?」という質問に対しては「その時にそれ(例外規程)があるというのは分かっていましたがそれが乗下船の規制対象になるという頭が私の方に無かったので申し訳ございませんが、県の方に伝えることができなかった」と釈明しました。田上市長は4月1日から20日までの間に1人が長崎空港からタクシーで来て乗船したこと。その1人は感染検査で陰性だったこと。28人が下船しうち27人がタクシーで長崎空港に行き、1人はJR長崎駅から県外へ行って帰国したことを明らかにしました。また新型コロナではない症状で工場の外の病院に行った乗員が1人。日用品など物資の買い出しに行った乗員が3人いて、全員検査で陰性だったとしています。利用したタクシーの運転手19人のうち15人も「陰性」でした。5月2日までに全て判明する予定です。また帰国などのため一時滞在したホテルのスタッフの感染検査も4月30日までに完了するとしています。田上長崎市長は「乗員の皆さんが香焼工場周辺のお店に出掛けられたり或いは観光に出掛けたというような行動は確認されていません。タクシー、バス、ホテルなどで接触があった方についてはPCR検査を行ったり健康観察をしたりしておりあと数日で全員の確認が終わります。また現在、長崎市内に感染症クラスターが発生しているという事実はありません。そういったことからコスタ・アトランチカから市内に感染が広がった可能性は限りなく低いという評価を専門家の方からも頂いています」と話しました。国のクラスター対策班の協力機関の国立感染症疫学センター島田智恵主任研究官は「ほぼほぼ市民の皆様県民にお皆様に感染させた恐れではないであろうという結果になりました。私もその結果に賛成いたします。同意いたします」と話しました。また長崎市保健所は船内で1例目が確認される前の4月14日までに発熱などで34人が船内で個室隔離されたこと、その情報について三菱や長崎市には報告がなかったことを明らかにしました。