高市総理の台湾有事をめぐる発言で、日中関係が冷え込む中、長崎市の中国人墓地で、市民と中国総領事館の職員が共に清掃活動をしました。
中国駐長崎総領事館・劉季宇副領事:
「平和友好の初心を堅持して、より多くの日本人の方々が客観的な見方を確立して、積極的に中日友好事業に参加するため、お力添えを頂くことを期待しております」
稲佐悟真寺の国際墓地は、安土桃山時代末期の1602年(慶長7年)、江戸幕府成立の前年に唐人墓地として開かれた県内で最も古い国際墓地です。
清掃活動は、1972年の日中国交正常化の2年後、1974年に長崎県日中親善協議会の主催で始まりました。コロナ禍の2020年は中止されましたが、今年で53回目。これまで、中国駐長崎総領事館の総領事も積極的に参加し、市民らと共に汗を流してきました。
中国駐長崎総領事館・陳泳総領事(去年):
「清掃活動は長崎と中国との古くから続く友情を体現しているものであり、県民が中国の華僑・華人に寄せる思いやりと温かい気持ちを示しています。総領事として私は必ず参加すべきだと考えています」
しかし今年、陳泳総領事は公務の都合で欠席。劉副領事と職員、市民や華僑ら約150人が参加しました。
NPO法人アジア交流友の会・大久保優子理事:
「日本と中国の関係がずっと良い関係で続きますように、そういう祈りの気持ちを込めてきょうは参加をさせていただいています」
福建省出身の男性:
「草の根の交流しか僕らは出来ないですから。政治的な話は僕らは出来ないんだけど、こういう一緒に作業することで個人の交流、人間交流は一番基本かなと思います」
高市総理が台湾有事をめぐって「存立危機事態になり得る」と国会で答弁し、中国の反発を招いたのは去年11月7日。まもなく1年となります。中国から長崎への観光の流れは、鈍っています。
日中両国は、「一衣帯水の隣国」。先の戦争を乗り越え、友好を深めると約束した日中共同声明で、国交が正常化してから54年。政治や外交関係が冷え込み、日中友好関係が「不正常」な状態が続くなか、草の根の交流を絶やさず、日中友好関係の1日も早い「正常化」が求められます。
中国駐長崎総領事館・劉季宇副領事:
「長崎は、中国と地理的に近く、古くから中日交流の重要な窓口であり、在日華僑の発祥地でもあります。双方の文化がここで融合し、深い絆が築かれてきました。1974年に、当時の久保勘一知事の提唱で始まった、この中国人墓地清掃は、今では50年以上にわたって続けられています。これは、まさに、長崎と中国の友情を物語ることです。本日、私たちは共に中国人墓地清掃に参加するのは、先人を偲ぶためだけでなく、さらにこの貴重な友情を受け継いでいくためでもあります。現在の両国関係の状況において、我々は中日友好に継続的に長崎の力を貢献するのは、特に重要だと思います」
参加者は約2時間、日中友好への思いを込めて、墓地の草を刈り、落ち葉を集めるなどして清掃に汗を流しました。