原爆資料館の展示リニューアルをめぐり、「南京大虐殺」の表記を「南京事件」に変更する長崎市の案に対し、海外メディアから注目が集まっています。
原爆資料館を訪れたのは、イギリスの有力紙「THE TIMES」のリチャード・ロイドパリー東京支局長です。展示内容の見直しや長崎市の考えについて、約1時間、長崎市平和推進課の原賀哲郎主幹に取材しました。
現在、原爆資料館内の年表には、「南京占領、大虐殺事件おこる」という記述があります。市はリニューアルにあたり、国内の教科書や国の公式見解、学術専門家の意見を参考に、解説パネルの中で「多数の民間人や捕虜を殺害する南京事件」とし、原因を日本軍の「侵略」によるものと記載する案を示しています。
これに対し、市民団体「世界に伝わる原爆展示を求める長崎市民の会」は、「加害の歴史を曖昧にするもので、世界の人々の共感が得られない」として、「南京大虐殺」の表記を維持するよう求めています。
THE TIMES リチャード・ロイドパリー東京支局長(57):
「歴史が今も現在に生き続けているというのは本当に興味深い。1937年に南京で起きた出来事について約90年後の今、私たちは長崎でこうして話をしています。あの出来事自体は何も変わっていません。変わったのは今の政治です。私は二つの意見の間には、深い溝があるというふうに感じました。その二つの考え方は決して相容れないと感じています」
長崎市平和推進課・原賀哲郎主幹:
「歴史の部分がどうしても注目を浴びていて、本来はリニューアルはそこだけではないのでできるだけ他のところも取り上げていただけるようになれば」
展示案をめぐっては、6月、中国外務省が反発。市民の会には、オランダや香港など海外メディアの取材が相次いでいて、南輝久さんもロイドパリー東京支局長から取材を受けました。
世界に伝わる原爆展示を求める長崎市民の会・南輝久さん(77):
「特に長崎の原爆資料館が持つ今日的な意義。そこを強調させていただいた。長崎市の歴史と文化に根差した長崎市民のこういった声、そこに目を向けて足を踏ん張って、地域に根差した自治体の主体性を発揮していっていただきたいと思う」
長崎市平和推進課・原賀哲郎主幹:
「申し入れは意見として頂いていますので、現在も最終案に向けて調整をしている」
最終案は、7月28日(火)の運営審議会で示される方針です。