路上を歩いていた面識のない女性の首を絞めて失神させ、ホテルで性的暴行を加えた罪に問われた33歳の男の裁判員裁判で、長崎地裁は拘禁刑8年の判決を言い渡しました。
判決などによりますと西海市大瀬戸町の無職、溝口美徳被告(33)は、去年9月19日の夜、佐世保市で、路上を歩いていた面識のない17歳の女性を、背後から首を絞めて失神させ、意識を取り戻した女性を車でホテルに連れ込み、性的暴行を加えたとして、わいせつ略取と逮捕監禁致傷、不同意性交等致傷の罪に問われていました。
松村一成裁判長は、
「下見するなどして夜間に人目のつかない場所を選定し、通りがかった被害者の背後からいきなりその首を絞めて一時的に失神させ、死の恐怖まで感じた被害者を車に乗せてホテルまで連行し、性交等に及んだというものであり、計画的で強固な意思に基づく犯行といえる」
「格闘技経験のある被告人が、17歳の女性である被害者の首を失神するまで強く締めるという態様は、生命まで奪いかねない相当に危険なものといえる。ホテル内では、殺されたくないという思いから抵抗を諦めた被害者を性の道具かのように扱う卑劣な犯行であり、犯行態様は全体としてかなり悪質」
「負傷の程度は、加療約3日を要する顎部擦過傷等にとどまっているが、被害者は、多大な精神的苦痛を受け、一人で外出できない、夜間に一人で眠ることができない、被告人に包丁で襲われる夢をみることがあるなど、日常生活に大きな支障を生じさせており、未成年であった被害者の今後の将来に及ぼす悪影響も懸念される。また、近隣住民や社会に与えた影響も軽視できない。被害結果は相当重い」
「被告人は、無理やり女性と性交したいという性的嗜好があったことに加え、風俗に行く金銭もなくなったために犯行に及んでいる。適応障害の診断を受けていたが、程度は軽度で、犯行が犯罪であることを明確に認識した上で、ストレスの捌け口とするために計画的に犯行に及んでいるのであるから、かなり身勝手な動機に基づくものというほかなく、その意思決定には厳しい非難は免れない」
「他方、被告人は、当公判延において、被害者やその家族、自身の家族、勤務先、社会全体に多大な被害や迷惑を与えたことを謝罪し、深い反省の態度を表している」
「被害者との間で示談金300万円を今後分割して支払うことを内容とする示談が成立しているものの、いまだ支払われていない上、今後の支払の現実的可能性には懸念が残り、酌むべき程度としては限定的」
「更生に向けて社会福祉士による更生支援計画が策定されており、被告人の問題性からもその実現可能性については疑問が残るものの、一応被告人の更生を期待できる事情といえる。その他、被告人に前科がないことなどの一般情状も考慮した」
などとして、拘禁刑12年の求刑に対し、8年を言い渡しました。
弁護人は、控訴について「被告人と話して決める」としています。