「いつでも使える核弾頭」が、去年より130発増えました。緊迫化する世界情勢の中、核兵器廃絶長崎連絡協議会は、核保有国9カ国が持つ核弾頭の数をまとめたポスターを発表しました。
「世界の核弾頭データポスター」は教育現場での平和学習に活用してもらおうと、県と長崎市、長崎大学でつくる「核兵器廃絶長崎連絡協議会」が毎年制作しています。
世界の核戦力の現状分析を行うアメリカのシンクタンク、FAS=全米科学者連盟の推定によりますと、核保有9カ国が持つ核弾頭1万2187発のうち、実際に運用できる状態の「現役核弾頭」は9745発で、去年より130発増えました。
最も多いロシアは、去年より90発増えて4400発。アメリカは3700発で増減はありませんが、老朽化した冷戦期の核兵器システムを近代化する「質的な軍拡」が進んでいるとみられます。中国は620発で、この8年で380発増加。北朝鮮は60発で、45発増えました。
全体の8割以上を占める米ロ間唯一の核軍縮条約「新START」が履行期限を迎えた2018年以降、現役核弾頭は増加傾向で、この8年で494発増えました。「新START」は今年2月に失効し、米ロが互いの核兵器の数を制限・監視する公的な枠組みが消滅した今、核兵器廃絶研究センターRECNAは、「透明性や予測可能性が低下し、核軍拡競争がさらに激化する恐れがある」と指摘します。
RECNA核兵器廃絶研究センター中村桂子准教授:
「お互いへの不信や不安がますます強くなり、それはひいては偶発的な核使用も含めた核兵器使用のリスクの高まりに直結していく話。この核弾頭の増加だけではない様々な形で今世界の中で起きている不信と軍拡のサイクルがこのポスターからも透けて見えてくるのが現状ではないか」
ポスターはRECNAのホームページで見ることができるほか、県内外の小中高校や教育委員会、公立図書館などに配布する予定です。
ロシア4400発(昨年比+90・2018年比+54)
アメリカ3700発(±0・▲100)
中国620発(+20・+380)
フランス290発(いずれも±0)
イギリス225発(±0・+10)
インド190発(+10・+65)
パキスタン170発(±0・+30)
イスラエル90発(±0・+10)
北朝鮮60発(+10・+45)