いつでも使える核弾頭はこの1年で32発増えました。長崎大学核兵器廃絶研究センターRECNAは、世界9カ国が保有する「現役核弾頭」の数を9615発と推計するポスターを発表しました。
RECNAは、2013年から世界の研究機関などの研究を基に独自の分析を加え、現存する核弾頭の数を示すポスターを作り、児童・生徒の平和学習に活用してもらおうと毎年この時期に発表しています。
去年からは、老朽化などで解体待ちの状態の弾頭を除き、現在配備済み、もしくは配備に備え貯蔵している「現役核弾頭」の数を示しています。6月時点で9615発。
最も多いロシアは、4310発で去年と比べ70発減りました。アメリカは3700発で去年より8発減った推計ですが、RECNAは、老朽化した核弾頭を近代化し、新しいものに置き換える質的な軍拡が進んでいると危機感を強めています。
増加数が最も多いのは西側諸国との対立の中で急速に軍拡を進めているとみられる中国で、去年より100発増え600発と推計されます。2018年以降、不安定な安全保障状況から米ロ以外の7カ国が保有する割合は2018年の12%から17%に増加しています。
RECNA中村桂子准教授:
「全体が負の連鎖、負のスパイラルになって軍拡が進んでいる。強調したいのは、それでもまだ米ロが現役核弾頭数で言えば8割以上持っている事実はまだ変わっていないので、この両国が世界的な核軍縮に向かってリーダーシップをとっていくことは必ず必要だし、両国には特別な責任があると我々は引き続き強調し続けることが必要」
ポスターは、長崎市や時津町・長与町、諫早市・大村市の小中高校に約4500枚を配布するほか、RECNAのWEBサイトでもダウンロードできます。