デジタル技術を活用してより便利な観光サービスを生み出す「観光DX」の取り組みが進んでいます。AIが提案する旅プランや、デジタルチケットの利用で観光施設の入場料が最大3割お得になるキャンペーンなど、最前線を取材しました。
長崎市がニューヨークタイムズの「2026年に行くべき52カ所」に選ばれたり、長崎ヴェルカがB1リーグで優勝したりと、明るい話題も飛び交う観光県長崎。去年は、物価高や夏の酷暑、大阪・関西万博で関西方面に客足が集中するなどの影響もあり、観光庁の調査によると、長崎県の去年の延べ宿泊者数は738万3830人で前年比96.7%。
一方で、長崎ーソウル線の好調などから、海外からの観光客は前年比118.2%と大きく伸びていて、トータルとしてもコロナ禍前の水準まで回復しています。
(2019年比101.9%)
県観光連盟 明石克磨専務理事:
「たくさんある資源を、いかにスムーズにめぐっていただくか、楽しんでいただくかが非常に重要」
県観光連盟によると、現在の観光のトレンドは、「個人旅行」。旅行会社へのプロモーションと並行して、SNSなどのウェブ戦略に力を入れています。
県観光連盟 明石克磨専務理事:
「今かなり、AIを活用される方々が多いですね」
そこで県が去年から運用を始めたのが、県の観光情報サイト「ながさき旅ネット」での「AI旅プラン」です。
県観光連盟 明石克磨専務理事:
「ご自身の思考とかを入力していただくと、その方に合った旅プランが提案されるというような機能も今設けている」
ながさき旅ネットに掲載されている1000件以上の観光地や飲食店などの情報を組み合わせて「世界遺産巡り」や「小さな子連れ旅行」、「20代女子旅」など様々なオーダーに対応します。導入した去年は2万5000回余りプランが作成されたそうです。
県観光連盟 明石克磨専務理事:
「より便利に快適に旅を楽しめるとか、あるいは文化的な体験、おいしい食、アクティビティ、多彩なプログラムや観光サービスを提供できることが重要になってくる」
一方で、課題となっているのは観光客の移動方法やキャッシュレスなどの利便性。県は、交通機関と地域の観光コンテンツをセットでデジタル販売する「MaaS」を活用した誘客推進事業を進めています。
その第一弾が、物価高騰下の旅を後押ししようと先月から始まった「長崎ぐるっと割キャンペーン」。ゼンリンが2022年から運営する観光サービス「STLOCAL」を使うと、観光と交通のデジタルチケットが最大30%割引になる、期間限定のキャンペーンです。
ゼンリン長崎支店 鈴雄太支店長(36):
「観光の消費拡大や滞在時間の増加、観光DXによるデータ活用、政策立案につながるのではないか」
対象チケットは60種類以上。例えば、今年4月から値上がりしたグラバー園は入園券大人1300円が910円に。出島は大人1100円が770円に。長崎ペンギン水族館は大人800円が560円になります。販売枚数は昨年比5倍の進捗で推移しています。
ゼンリン長崎支店 鈴雄太支店長(36):
「物価高によって体験やお得感を重視する傾向がある。効率的な計画や非接触のニーズもデジタル観光サービスが適合している」
利用者がチケットを手軽でお得に買えるだけでなく、ゼンリンの「移動情報」と「地図情報」を活用して購入客の動きを可視化し、分析結果をフィードバックできるメリットがあります。
ゼンリン長崎支店 鈴雄太支店長(36):
「これにより行政や事業者がデータに基づいた施策の立案や、効果検証が可能になり、そのあとの利用者の利便性が向上するといったことが強みとして考えている。(STLOCALは)観光客だけでなく、地元の人にも楽しんでもらえるようなイベントの周知や飲食店の情報だったり普段使いして楽しんでいただけるアプリになっているので、今回のキャンペーンで、新たなスポットの発見を楽しんでもらいたい」
「長崎ぐるっと割キャンペーン」は来年2月28日までで、予算上限に達し次第終了します。