修学旅行生向けに、映画館を使った被爆体験講話が初めて行われました。
神奈川県の高校生136人が訪れたのは、長崎市茂里町のみらい長崎ココウォーク6階のTOHOシネマズ長崎です。長崎バス観光が、映画館で被爆体験講話を行うことで修学旅行の誘致を促進しようと初めて企画しました。
講話したのは八木道子さん87歳。小学1年生、6歳の時、爆心地から3.3キロの鳴滝町の自宅で被爆し、爆心地近くに住んでいた親族5人を亡くしました。
八木道子さん:
「あなたがたに平和のバトン、バトンを渡すつもりでお話しします」
県観光連盟によると、関西地区のオーバーツーリズムの影響で、首都圏の中学校や高校が修学旅行先を地方に分散する動きが進んでいて、東京周辺の中学校から長崎への修学旅行は約2.8倍に増えています。
一方、長崎平和推進協会が被爆体験講話を実施している会場は原爆資料館の学習室やホールなどの4カ所。学校側の希望の時間帯に対応できない懸念に対し、平日の日中がオフピークの映画館を活用することで受け皿を増やしたい考えです。
長崎バス観光取締役石田誠営業統括部長:
「長崎県のために何かできることを考えた方がいいということで、実際平和学習教室なんかが足りてない、時間帯には合わないといったところがあったので、このTOHOの空き時間を借りてこういう映像化していった方がいいんじゃないかという流れになっています」
八木道子さん:
「平和はあなたがたの肩にかかってるのよよろしくお願いします」
横浜隼人高校2年涌井優那さん(16):
「今まで平和学習とかやってきましたけれど私が知ってることってほんの端の一片にすぎないんだなと思いました」
横浜隼人高校2年堀井あめりさん(16):
「空襲警報の音などがすごく立体的に伝わってきて、体で体験するような感じの平和講話を体験できてすごくうれしい」
横浜隼人高校2年小山海人さん(16):
「大きなモニターによい音響で話を聞かせてもらえるのはこれ以上ない体験だったなと思いました」
平和推進協会に講話者として登録している被爆者はピーク時の2018年は47人でしたが、現在は28人で、その平均年齢は88歳。宿泊先のホテルなどに被爆者が出向く出前講座や夜間の講座は被爆者の高齢化で難しくなっています。
八木道子さん(87):
「(出前講座は)それは大変よ。まず自分でプロジェクターを持っていくんだから。長崎は会場がほしい。でもきょうはよかった、子どもの表情が見えたのがうれしかった」
長崎バス観光は今後旅行商品として認知度を高め、継続していきたいとしています。