被爆から79年となる今年8月9日の平和祈念式典で「平和への誓い」を読み上げる被爆者の代表が決まりました。
選定審査会が最終候補の4人の中から選んだのは、長崎市出身で長崎市に住む89歳の被爆者、三瀬清一朗さんです。
三瀬さんは伊良林国民学校の5年生だった10歳の時、爆心地から3.6キロ離れた長崎市矢の平町の自宅で母親や祖母、姉、弟らと被爆しました。家族は全員無事だったものの、「通っていた学校が死体処理場と化した光景は忘れることができない」と言います。
2015年からは「長崎平和推進協会継承部会」に所属し、修学旅行生や県内外の学校で被爆体験講話の語り部活動をしていて、去年は78回講話したということです。
修学旅行生から「語り部活動を続けてほしい」「頑張ってください」という励ましの言葉をもらったことが応募のきっかけとなりました。
三瀬清一朗さん(89):
「あたり前の生活ができるというのが私は一番平和ではないかと思うんです。そして命を大切にするということが一番大事じゃないかと思うんですよね。いかに平和がありがたいか、そして人間の命がいかに尊いかということを僕はお話をしたいと思っています」
選定審査会の調漸会長は、「被爆当時の描写が極めて具体的で、スピーチの内容や構成もしっかりしている。聞き手に対して訴える力が十分あること」などを選定理由に挙げました。