寝ている間のいつもの充電が、火災につながるおそれがあります。12日(金)、佐世保市で、モバイルバッテリーが火元とみられるマンション火災が起きました。
中嶋航大記者:
「佐世保市三浦町です。マンションから火が出ています。ベランダから炎が出ているのが確認できます」
12日(金)の午後11時20分ごろ、佐世保市三浦町のマンション9階に住む男性から、「モバイル充電器が燃え、部屋の中が炎と煙で充満している」と119番通報がありました。
消防車9台が出動し、火は約2時間40分後の13日午前1時53分に消し止められましたが、火元の部屋は全焼し、上の部屋のベランダなどの一部を焼きました。
この部屋に住む40代の男性が煙を吸って救急搬送されましたが、命に別状はありません。マンションは15階建て、全98戸の集合住宅で、佐世保署によりますと、この男性以外に搬送された人や逃げ遅れた人はいませんでした。
出火原因は調査中ですが、焼け跡からは、焼け焦げたモバイルバッテリーが見つかっています。
こちらは、NITE(製品評価技術基盤機構)が公開している、モバイルバッテリーの発火事故の再現映像です。内部の異常などにより、充電中に突然、発火する様子が確認できます。こうした火事が、いま、全国で相次いでいます。
NITEによりますと、モバイルバッテリーなど、リチウムイオン電池を搭載した製品による事故は、去年までの5年間で1860件発生し、このうち8割以上が火災につながっています。日常的に使われているモバイルバッテリー。火事を防ぐためにどんな点に注意すればよいのでしょうか。
佐世保市消防局予防課・山口将希さん:
「充電中に非常に熱くなったり、電化製品自体が非常に膨らんでいたり、焦げたような臭い、さらに異常な音などがあった場合には、充電や使用を中止していただければ」
さらに、充電器だけでなく、コンセントなど周囲の環境も、火災の原因になるといいます。
佐世保市消防局予防課・山口将希さん:
「よく言われるのがトラッキング現象。コンセント周りにほこりが積もっていると可燃物として通電し、出火することもあります。今から年末年始の大掃除をされる方もいらっしゃると思います、そういった機会にコンセント周りにほこりがたまっていないか、家具の下に電気配線が踏まれていないか、モバイルバッテリーに異常な膨らみがないかをこまめに点検していただければ」
消防局は、万が一、発火した場合は大量の水で消火し、すぐに119番通報するよう、注意を呼びかけています。