管理者の撤退で閉鎖している稲佐山山頂展望台のレストランについて、長崎市は次期管理者に稲佐山観光ホテルを選定しました。しかし「辞退」の可能性も。展望台近くの駐車場料金の値上げが影響しています。
稲佐山山頂展望台2階のレストランは、2021年4月から長崎スタジアムシティを運営するリージョナルクリエーション長崎が管理・運営していましたが、今年1月で撤退。市が新たな管理者を公募し、2007年から2021年3月までレストランを管理・運営していた稲佐山観光ホテルが手を挙げました。
稲佐山観光ホテル小林央幸専務:
「長崎で一番景色のきれいな場所なのでそこでレストランがずっとしまったままなのは、観光地としてもいただけないなというところがありまして」
長崎の食材を使い、和洋中織り交ぜた長崎ならではの「和華蘭料理」を提供するカジュアルレストランを想定し、営業時間は午前11時半から午後9時半を予定しています。
来年7月ごろの営業開始を目指していますが、今後、改装や設備投資などにかかる費用次第では「辞退の可能性もある」としています。ホテル側の不安要素のひとつが、駐車場料金の大幅な値上げです。
小林専務:
「実際かなり高いなと思ってまして、本当にレストランできるのかなって今ちょっと思ってるところです」
小やなぎ亮雄記者:
「稲佐山山頂の展望台に来ています。現在は最初の20分は無料、30分ごとに100円が加算されるシステムですが、来年の4月から1000円、1回24時間1000円になる見通しです」
長崎市は、レストラン近くの駐車場の料金について、来年度から現在の『30分100円』から『1回24時間につき1000円』に変更。『最初の20分無料』もなくなり、1回入れば数分で出ても1000円です。
佐賀県から:
「30年くらい前からここに通っているので、高くなるのは嫌ですね。そんな高くなるんですね~…。(Q.1000円になったら来たいと思う?)思わないです」
福岡県から:
「自分らは滅多に来ないからそれでも来ると思いますけど、地元の方からすればきっと高いんじゃないかな。自分はワンコインの500円までと思います」
長崎市から:
「今のままくらいの方がいいんじゃないですかね。もうちょっと据え置いて。止めっぱなしでずっと過ごせるってことでしょう。行きたい人が来られんですもんね。来ないってはならんですけど聞けばウッて思いますよね」
市は値上げの理由について、他都市の施設を参考に、来年度から値上げするスロープカーの往復料金1000円と合わせるためとしています。
同じ山頂展望台で営業するケーキ店は…。
菓子屋無大江原翔太さん:
「僕らも市や指定管理の方々から直接聞いていなくて他の方々から聞いていま知ったような状況。地元のお客さんとかにはここで購入して下さった方にはサービス券とか提携の話も組めたらなって思います」
稲佐山観光ホテル小林央幸専務:
「いろいろ物価が上がっていく中で料金が上がっていくこと自体致し方ないのかなと思う部分もあるんですけどあまりにも上がり幅が大きいっていうのと何の相談もなかったのが非常に残念」
公募に手を挙げたのは稲佐山観光ホテルだけで、辞退となれば、観光名所のレストランの空白はさらに続くことになります。市は今後、駐車場の指定管理者と料金設定について協議していくとしています。