天皇皇后両陛下と長女・愛子さまがあさって開幕するながさきピース文化祭の開会式への出席に合わせ、長崎におでましになりました。12日は爆心地を訪れ、原爆の犠牲者に花を供えられました。
正午すぎ、長崎空港に到着された天皇皇后両陛下と愛子さま。到着ロビーでは大石知事や外間県議会議長らの出迎えを受けました。
両陛下がそろって県内に訪問されるのは皇太子・皇太子妃時代の1996年以来29年ぶりで、即位後は初めてです。愛子さまは初めての訪問です。
大村市の長崎空港から長崎市へと車で移動され、まずは宿泊先のホテルへと向かわれます。ホテル周辺には日の丸の小旗を手にした市民らが集まり、到着を待っていました。
市民:
「(Q.きょうは何時から待っている?)午前10時前にここに来ました。ずっと待ってます。愛子さまがいらっしゃるからそれを拝見させていただければと思います。何か元気をもらうような感じでドキドキしてワクワクしてます」
午後1時半ごろ、ホテルに到着された天皇皇后両陛下と愛子さま。ホテルの関係者に挨拶されたあと、沿道を振り返り、市民を見つけると、3人でお手を振って応えられました。
市民:
「感動しました。一生こんなことあるか分からないから、ラッキーでした」
午後3時すぎ、ホテルと爆心地をつなぐ長崎市茂里町の浦上川沿いの沿道には、長崎西高校の生徒たちが集まり、両陛下と愛子さまを乗せた車列を迎えました。
午後3時半、爆心地を訪れた天皇皇后両陛下と愛子さま。それぞれ、花束を手に、原爆落下中心地碑へと歩み寄られ、深々と頭を下げられたあと、花束を供え、再び頭を下げて黙礼されました。そのあと鈴木市長の説明に耳を傾けました。途中、愛子さまは、鈴木市長に質問し、その答えに何度もうなずきながら、聞き入っていました。
鈴木長崎市長:
「浦上天主堂の遺構の話について愛子さまの方から最初にですね、被爆した直後の信者の皆さんは浦上天主堂で祈りを捧げられたのですかという趣旨のご質問がありました。で私の方から信者の皆さんは被爆直後も本当に自らも傷付いていても信仰の心を忘れずに神に祈りを捧げたというふうに聞いておりますということをお答え申し上げました」
このあと、原爆資料館を訪れた両陛下と愛子さま。原爆による放射線が広がる様子を表すジオラマの説明に熱心に耳を傾け、被爆の実相をご覧になりました。
天皇陛下は今年2月、65歳の誕生日を迎えられたときの会見で、今年の戦後80年に絡む愛子さまへの思いをこう述べられていました。
天皇陛下(2月):
「今年は戦後80年という節目を迎え、愛子にも戦争によって亡くなられた方々や苦難の道を歩まれた方々に、心を寄せていってもらいたいと思っています」
展示をご覧になったあと両陛下と愛子さまは、長崎原爆被災者協議会の田中重光会長(84)や長崎県被爆者手帳友の会の顧問で101歳の中村キクヨさん、長崎原爆遺族会の本田魂会長(81)、長崎県平和運動センター被爆連の川野浩一議長(85)、被爆者の体験や思いの伝承活動に取り組む家族・交流証言者で20歳の松山咲さん、青少年ピースボランティアで同じく20歳の濵田尚平さんと懇談されました。