長崎くんちまであと42日です。各踊町で真夏の稽古が行われています。
本踊「阿蘭陀万歳」を奉納する新橋町。立方は踊りのプロ、長崎検番の芸妓衆です。
新橋町は、「万歳」と「才蔵」、2人のオランダ人がコミカルな動きでおもしろおかしく踊る「阿蘭陀万歳」を、74年前の1951年(昭和26)、くんちで初めて奉納した「本家本元」です。
舞踊指導・花柳孝光央師匠:
「(休憩?)いえ、もうね、無理。この暑さでね。一応動画は撮ったのであとはまた帰って位置とかそういうのをね」
検番の芸妓衆は夜に本業のお座敷があるため、本番と同じ舞台で稽古する「場所踏み」は昼間に行うたった2日だけ。30度を超える猛暑の中、お座敷の畳や板張りとは違う石畳の感覚や立ち位置、目線の運び方などを確認し、短時間で集中して体に覚えこませます。
才蔵役・桃羽さん:
「技術はできて当たり前、絶対皆さんそう思われると思うので。検番だから。できんやったじゃいかんけんですね」
万歳役・茶々丸さん:
「久しぶりにこういう石畳で踊らせてもらうっていうのもあったので体が忘れちゃってて、自分なりに万歳ば磨いて本番に挑もうと思います」
次に踊り馬場に立つのは10月の本番。一番町の誇りと検番のプライドを胸に、諏訪の舞台に臨みます。
船3隻による迫力の曳き回しなどが見所の「大漁万祝恵美須船」を奉納する賑町。1歳から52歳までの84人で魚群を追い、大漁を収めて祝う物語を表現します。船頭の「鯛釣り」は2リットルのペットボトルで稽古を重ねています。
船頭・中西生和さん(6):
「(Q.ペットボトルは重たいか)全然」
平均4.83歳の網方の子どもたちが「網入れ」などを披露したあとは、男女16人の若根曳が重さ300キロの「宝恵舟」、「豊来舟」を曳きます。
一方、重さ4.5トンの親船「恵美須船」を豪快に曳き回すのは20人の根曳たち。長采は合図に笛を使いません。
長采・立岩直樹さん(52):
「笛の代わりに目くばせであったり、呼吸や、腕の合図でやっています」
気持ちを通わせ、船を動かします。根曳頭・向篤司さん(49):
「いよいよ仕上がってきたかなって感じですけど、あと半分稽古が残っているのでもっと磨きをかけていきたい」
稽古が終わった後はみんなでストレッチ!
終始アットホームな賑町。84人が一丸となって諏訪の大海原を突き進みます。