西九州新幹線は来月で開業から丸3年を迎えます。
博多~長崎間の九州新幹線西九州ルート全線フル規格化の早期実現に向け、大石知事は、新鳥栖~武雄温泉の在来線区間のルートや整備方式について、約1年3カ月ぶりに佐賀県、JR九州の三者で意見を交わしました。
19日午後、佐賀県庁を訪れた大石知事。佐賀県の山口知事とJR九州の古宮社長の三者での意見交換は、去年5月以来約1年3カ月ぶり、2回目の開催です。
1973年の整備計画決定から約半世紀の紆余曲折を経て2022年9月23日に開業した西九州新幹線。長崎~武雄温泉(佐賀)の間、約66キロを最速23分で結ぶ「日本一短い新幹線」です。
武雄温泉で新幹線と在来線特急「リレーかもめ」を対面で乗り換える「リレー方式」で運行し、長崎~博多間の所要時間は最速で1時間20分。乗り換えの必要は生じましたが、新幹線開業前の特急より約30分短縮されました。JR九州によりますと7月21日までの2年10カ月で、のべ約712万人が利用し、今年度の平均乗車率は37%です。(※7月21日時点)
しかし、いまだ全国の新幹線ネットワークにつながっていない「飛び地」の新幹線。博多~長崎間の九州新幹線西九州ルート約143キロのうち、武雄温泉~新鳥栖間、約50キロの「未着工区間」は佐賀と国の協議が進まず、平行線をたどっています。
約50分間、非公開で行われた意見交換。開業からまもなく3年を迎えるのを前に進展はあったのでしょうか。
大石長崎県知事:
「例えばルートに関しては我々としては利便性の確保や採算性の確保でアセスルート(佐賀駅を通るルート)が一番適しているとお話させていただきましたし我々、西九州新幹線としてはFGT(フリーゲージトレイン)が断念したこれまでの経緯もありますし、そういったことを踏まえてしっかりと国にその経緯を踏まえた対応を求めていくことは一致をしております」
もともと三者で合意していたのは、新幹線と在来線、幅の違う線路を車輪の幅を変えてどちらも走ることが出来るフリーゲージトレインの導入。しかし国は、コストや技術的な問題などから導入を断念し、2023年、試験走行設備の撤去を決めました。
意見交換では、フリーゲージトレインの導入見送りを受けて、仮にフル規格化する場合、費用負担などをどうするか三者で国に求めていくことで一致したということです。
JR九州・古宮洋二社長:
「我々としてはFGT(フリーゲージトレイン)のところで歴史は止まっているので、その先をどうするのかというのは全く新しい話だなと認識は一致しております。当然、あとは私が以前から申していますルートの関係とかそれはやっぱりそれぞれ意見が違っていまして認識の一致にはなっていないというところです」
佐賀県・山口知事:
「佐賀県は合意したものは今までのことも守っているし、ちゃんと最初にしっかり(合意を)しきらないと先にやみくもに前に進めても、後で問題が発生してということになるので、ここできっちりと三者でもしフル規格で何かをやるならしっかり合意をした上でやらなければならないというふうに申し上げました」
今後も三者間の協議を続けていくということです。