被爆80年の8月9日。長崎市のピーススタジアムでサッカーJ2第25節、V・ファーレン長崎が「平和祈念マッチ」と題し、札幌と対戦、劇的な逆転勝利を収めました。
試合前には、長崎市出身のシンガーソングライター福山雅治さん(56)がサプライズで登場し、平和への思いを発信しました。
【福山雅治さん】
「帰ってきたばかり長崎!」
試合前のセレモニーにサプライズ登場した長崎スタジアムシティのクリエイティブプロデューサーを務める福山雅治さん。
【福山雅治さん】
「僕が来た時は負けないでいただきたい」
「ブ――――――(札幌サポーターからのブーイング)」
「1回このブーイングって受けてみたかった」
「このようにスポーツというのは平和の祭典、平和の象徴だと思っています。世の中はまだまだ戦争であるとか、様々な戦いがありますけども、こうやってきょうこの日にサッカーというスポーツで存分に戦える、それが開催出来るというこの一日が今この瞬間こそが平和な一日だと平和だと言えると思っております。それを作り上げて下さっている我々のお父様お母様おじいちゃんおばあちゃん様々な命がつながって今ここにいて、そしてこの有事ではなく平時と言えるサッカーが開催出来るこの日につながっているんだと実感しております。皆様のお陰です」
「きょうという一日を思いっきり楽しみましょう!」
ピーススタジアムは、詰めかけた約1万7000人の歓声に包まれました。
続いてチームを代表し山口蛍キャプテンが平和宣言を行いました。
【V・ファーレン長崎 山口蛍主将(34)】
「『長崎を最後の被爆地に』この揺るぎない誓いを胸に私たちは歩み続けます。大切な仲間と共にサッカーが出来ること、皆さんに応援してもらえることに感謝しこのピーススタジアムのピッチから世界へ平和の祈りが届くことを願い『正々道々』戦い続けることを誓います」
前半に先制を許した長崎は、エンドが変わった後半23分。左サイドから突破した笠柳がクロスを上げマテウス!
マテウスのボレーシュートで同点に追いつきます。
アディショナルタイム残り1分に劇的な瞬間が!
自陣で相手のパスを笠柳がカットし前線へ。駆け上がったマテウスは、
キーパーとの1対1を…冷静にネットに収め2対1と逆転。
8月9日という大切な日に勝利をつかんだ長崎。3試合ぶりの勝ち点3です。
【V・ファーレン長崎 高木琢也監督(57)】
「このピースタがあった地が80年前にどういう状況だったかということもより伝えることも出来ましたし、これからもそういう役割を伝えていきたいなと思います」
【V・ファーレン長崎 江川湧清選手(24)】
「長崎出身の選手として、きょうはとても特別な日ですし、こういう日にこうやって僕たちも試合が出来ることをとても幸せに思いますし、しっかり残りの試合も上位との対戦も残ってますし、しっかり勝って僕たちが最後J1昇格したいなと思っています」
順位は6位から4位に浮上。
残り13試合。次は、17日(日)、アウェーで同じ勝ち点で6位の鳥栖と上位対決です。