長崎の被爆者4団体の1つ、県被爆者手帳友の会は、アメリカでの対話集会など被爆80年の今年に行う企画の概要を発表しました。
被爆者の減少が進む中、活動をつなごうと、この2年間で約30人が新たに会員として加わったという県被爆者手帳友の会。若い世代と連帯して、核なき世界の実現に向け、3つの企画を実施します。
その1つが核保有国アメリカで被爆者らが被爆の実相を伝えるキャラバンツアー。友の会では、おととしにもアメリカに渡ったほか、今年5月にはイギリスを訪問し、大学などで核保有国の若者たちに「核なき世界をつくる責任がある」として、行動を呼び掛けてきました。
2度目となるアメリカ訪問は、11月27日から12月10日の予定で計画され、長崎原爆に使われたプルトニウムの製造施設があるワシントン州ハンフォードのほか、人類史上初の核実験が行われたニューメキシコ州・ロスアラモス、旧日本軍による真珠湾攻撃が行われたハワイ州の3都市を訪れ、各地で市民と対話集会を行います。
県被爆者手帳友の会朝長万左男会長(82):
「核兵器国の市民との直接対話で核廃絶を一緒に進めていきましょうと。究極的には『アメリカも核廃絶をするんでしょ』という質問をぶつけていきたいわけですよ」
友の会では旅費や宿泊費などの資金を調達するため、来月31日までクラウドファンディングを行っていて、目標金額は500万円です。
また、平和への思いを動画に込めて発信していく企画「ActforPEACE」も進め、定期的に配信します。来月3日から10日に開かれる企画「ともcafe」では、被爆者と気軽に語り合えるほか、ミニライブやライブペインティングなどを行い、来月9日には、友の会の会員で平和活動も続ける俳優の渡辺えりさん(70)らによるトークショーが開かれる予定です。