今年秋ごろから長崎市の路面電車でクレジットカードなどによるタッチ決済が可能になります。通勤通学の時間を避けた時間帯の運賃を割り引く「オフピーク割」などの実証実験も行う予定です。長崎市と長崎電気軌道、三井住友カードが市役所で会見を開き、発表しました。
三井住友カード 石塚雅敏Transit本部長:
「事前の登録、チャージは不要でして、お持ちのカード、あるいはスマートフォンをそのまま読み取り機にかざしていただくとご利用できる」
三者は2021年に連携協定を結び、公共交通のキャッシュレス化などの検討を進めてきました。
1日平均4万1500人が利用する路面電車では、現在、現金と交通系ICカードで運賃を支払えますが、今年秋ごろから、クレジットカードやスマホを専用端末にかざすことで運賃を支払える「タッチ決済」を導入します。7つの国際カードブランドに対応する予定で、県内の公共交通機関でタッチ決済を導入するのは初めてだということです。
長崎電気軌道 中島典明社長:
「インバウンド対策、こちらが一番大きいのかなと。現状でも、船で降りられた方が団体で乗ってこられることがあるが、まずどういう支払いをするのか迷ってしまう。現金を降りるときに聞いてから準備してしまう。キャッシュレスがどんどん広がっていけば、いろんなお客様のニーズに応じた手段を選ぶような形で今から先も進めていきたい」
また、導入と同時に、タッチ決済を利用した実証実験を始めることも発表されました。
通勤・通学の時間帯を避けた「オフピーク割引」や、「運転免許返納割引」、1カ月の利用上限額を設定する「全線上限割引」などのサービスを試験的に実施し、車内混雑緩和や利便性向上などの課題解決を図ります。
実証実験は今年秋ごろから来年3月末まで行い、それ以降の割引の実施は、実証実験の結果をみて判断するということです。